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【日本千思万考】
「国全体がネズミ講」EU揺るがす“ギリシャ病”に見る日本の優位性 欧州階級社会が抱える病巣とは
アテネでの集会で手を振るギリシャ最大野党、急進左派連合のツィプラス党首。今月25日投票の総選挙が世界の注目を浴びている=1月3日(AP)
“独り勝ち”ドイツの苦境
年明け早々から、ギリシャの政治危機を端緒に、欧州経済の構造的な弱点が複雑且つ多重的なデフレ危機を懸念させる様相を呈しております。底流には、EU圏・金融機関の脆さと製造業全般の競争力欠如があり、ユーロ圏を引っ張ってきた仏独が相次いで低迷し始めるや圏内各国の経済政策の対立が続発し、それに輪をかけたのが原油価格とロシア通貨の急落ではないでしょうか。欧州発の諸情報から見えてくるのは、EUがギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガルなどの財政赤字や苦境を包み隠してきたのではないかという疑念です。ここへきて、独り勝ちだったドイツが、自国経済の昨年秋ごろからの苦境(製造、金融両業界とも下降)から、中銀ECBや仏伊などとの対立を強めているようです。
そんな中、ギリシャで今月25日に行われる総選挙が世界の注目を浴びています。ギリシャでは、国民に痛みを強いる財政緊縮に反対する新興左翼政党「ポデモス」が急伸。もし、ポデモスが総選挙で勝つようなことになれば、EU各国のポピュリズム(大衆迎合主義)政党にも勢いを与えるのは必至で、欧州の政治・経済リスクを高めかねないからです。敢えていうならば、2009年の過剰債務は、2012年における緊縮財政で「臭いものに蓋」をした“対外的な見せかけ”だけで、その後も債務のGDP比は、さらにうず高く積みあがっているようで、この辺は伊・西・ポルトガルに加えて、フランスにも共通の難題なのです。
借金し放題? 渡りに船の“裏口入学”
ところで、“ギリシャ病”は、今に始まったわけではなく、ギリシャはユーロ加盟前から数年ごとに、デフォルトを繰り返していた万年財政赤字国でした。もともと、この国全体がネズミ講だといわれ、負債イコール収入と考えるような国柄と、働かない国民性は近隣諸国も熟知していたはずでした。



