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【世界的科学者の研究人生(1)】生きた細胞の中で分子を見る ノーベル賞は「阪神の優勝みたいなもん」 大阪大特任教授・柳田敏雄さん

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【世界的科学者の研究人生(1)】
生きた細胞の中で分子を見る ノーベル賞は「阪神の優勝みたいなもん」 大阪大特任教授・柳田敏雄さん

柳田敏雄・大阪大特任教授 

 超微細なヒトの分子の働きを見る「一分子計測」のパイオニアとして知られる生物物理学者、柳田敏雄・大阪大特任教授(68)。超解像顕微鏡の開発で米独3氏が受賞した今年のノーベル化学賞では受賞理由に論文が引用され、世界的な影響力を改めて知らしめた。ヒトの分子は指示どおり機械的に動くという常識を覆し、自ら試行錯誤しながら進む道を探すという「揺らぎ」の基本概念を確立。「ふらふらしているからこそ、いい仕事をする」という持論は、自身の研究人生にも当てはまる。(聞き手 川西健士郎)

 --今年のノーベル化学賞はまさに柳田教授がかかわってきた分野。どういった研究でしょうか

 柳田 タンパク質や遺伝子が働いている現場を直接見て、それらの働く仕組みを調べる研究です。劇に例えたら、役者さん(分子)たちが、どう演じて劇が面白くなっているかという過程を見なければいけない。今回ノーベル賞をとった人たちがやった仕事は、それが見えるようにするための解像度を高めた顕微鏡を開発したということです。

 --しかし、解像度を高めるだけでは分子を見ることはできない

 柳田 分子がどのように振る舞っているか見ようと思ったら、生きた細胞の中で、現実に働いている、そのものを見ないといけない。細胞の中で分子を見るというのは、ごみだめの中でダイヤモンドを探すような仕事で、超解像顕微鏡をライフサイエンスの分野に応用するのには大きな壁がありました。

 --柳田教授のチームはこれに挑戦した

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