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【名張毒ぶどう酒事件】名古屋高裁、再び再審請求認めず 

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【名張毒ぶどう酒事件】
名古屋高裁、再び再審請求認めず 

名古屋高裁前で「不当決定」を掲げる弁護団のメンバー=9日午前

 三重県名張市で昭和36年に女性5人が死亡した名張毒ぶどう酒事件の第8次再審請求異議審で、名古屋高裁刑事2部(木口信之裁判長)は9日、「弁護側の主張は第7次請求と同じ証拠に基づいており、適法な再審請求には当たらない」として弁護側が申し立てた異議を棄却し、再審開始を認めない決定をした。

 昨年5月に再審請求を棄却した高裁刑事1部の決定と同じ判断で、弁護側はただちに最高裁へ特別抗告する方針。ただ、第8次請求からわずか1年2カ月で2度にわたり実質的な審理に入れないまま主張を退けられたことで、再審開始は極めて厳しい状況となった。

 刑事訴訟法は、再審請求には無罪となるべき明らかな証拠を新たに提出することが必要と規定している。弁護側は第8次請求にあたり、第7次請求の際に提出した専門家の意見書を「実質的な審理の対象とされておらず、新規性は失われていない」と出し直した。

 しかし木口裁判長は決定で、高裁刑事1部の判断を踏襲。第7次請求で意見書については十分に検討されいるため新規性はなく、明白性にも欠けると指摘し、同一の証拠に基づいて改めて再審請求することを禁じた刑訴法の規定に反すると結論づけた。

請求一蹴「許し難い」と弁護団

 午前10時過ぎ、決定書を受け取った弁護団が裁判所の正面玄関に姿を見せた。弁護士の手には「不当決定」の垂れ幕。奥西勝死刑囚の支援者からは「調べもしないで」と怒号が飛んだ。

 異議申し立てからわずか半年余り。高裁は弁護団と検察側との三者協議を一度も開かず、請求を一蹴した。

 「奥西さんの切なる願いを一顧だにしなかった。許し難い裁判所だ」。鈴木泉弁護団長は厳しい表情で決定を非難した。

 今月14日に89歳の誕生日を迎える奥西死刑囚。名古屋拘置所に収容されていた平成24年5月に肺炎を患い、八王子医療刑務所に移送。翌年には一時危篤に陥った。気管を切開して人工呼吸器を装着したため、声を出すことはできない。

 特別面会人の稲生(いのう)昌三さん(75)は7日に奥西死刑囚と面会。どんな決定が出ても希望を失わないよう声をかけたという。稲生さんは「無念。奥西さんの体調は安定しているが、いつどういうことが起こるか分からない。命あるときに再審の道を開きたい」と話した。

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