産経WEST

【大阪に帰ってきた鴈治郎(5)】大阪の人から「がんじろはん」と呼ばれるようになりたい

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【大阪に帰ってきた鴈治郎(5)】
大阪の人から「がんじろはん」と呼ばれるようになりたい

「大阪の顔となって、みなさんに親しみをもってもらえるような役者になりたい」と話す中村翫雀さん=大阪市中央区の松竹座(南雲都撮影)

歌舞伎俳優、中村翫雀改め、四代目中村鴈治郎さん

 --来年1月、曽祖父の初代中村鴈治郎が一代で大きくした名跡を四代目として襲名されます。決心されたのはいつ頃だったのですか

 翫雀 父が平成17年に三代目鴈治郎から坂田藤十郎の名跡を継ぐ際、親子同時襲名という話はすでにあったんです。ただ、鴈治郎はうちの家にとって一番大事な名前ですし、鴈治郎から藤十郎につながっていくように思われることにも抵抗がありました。うちには成駒屋(なりこまや)の鴈治郎と、山城屋の藤十郎の2つの名前があるというふうに考えたかったんです。襲名披露公演のチラシに、鴈治郎と藤十郎の2つの名前が並んでいるのを見たときは感無量でした。

 --襲名披露公演は、1、2月の大阪松竹座から始まって、12月の京都・南座の顔見世まで1年かけて全国を回ります。大阪から始まるのは、いかにも上方歌舞伎の名跡らしくていいですよね

 翫雀 大阪発でやりたいというのも私のこだわりでした。平成7年の五代目翫雀襲名も道頓堀の中座でしたし、いま考えても、大阪からやってよかった。そういえば、この度の襲名でポスター撮りのため初めて鴈治郎の「イ菱(びし)」の紋の肩衣(かたぎぬ)を着たんですが、とにかくうれしかったですね。

 --鴈治郎になって最初に舞台を踏まれるお役が「吉田屋」の伊左衛門。家の芸「玩辞楼(がんじろう)十二曲」の一つですし、代々の鴈治郎が得意としたお役でもあります

 翫雀 もちろん、「玩辞楼十二曲」は、鴈治郎を襲名するからには絶対やっていきたいと思っています。なかでも零落した若旦那の伊左衛門は上方和事の頂点の役ですからねえ。すべてはんなりとまぁるく、上方らしいにおいを大切に勤めたい。ただ、「玩辞楼十二曲」の中には、大スターだった初代の自分を見せるための芝居というのもある。父(坂田藤十郎)は初代のそういう大きさに引かれたのだと思います。父から受け継ぎたいものはいっぱいありますが、自分はやっぱりお芝居を見せたいと思っています。

「産経WEST」のランキング