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【鹿間孝一のなにわ逍遙】
初夢は「大阪に世界遺産」 豊か、誇り…唯一「ゼロ」
大阪発の世界遺産へ…大山古墳(仁徳天皇陵)で知られる「百舌鳥・古市古墳群」=堺市(本社ヘリから、恵守乾撮影)
富士山の日の出を見た。
といっても12月のことだ。八ヶ岳のふもとにあるホテルの屋上から。晴天を信じて早起きしたかいがあった。
赤く染まった空を背景にした富士山のシルエットは神々しいほどに美しかった。
やがて富士山の東側に太陽が顔を出した。雪をかぶった山頂が刻々と表情を変える。寒さを忘れて、しばし見とれた。
ホテルを出て、湖面の逆さ富士が映るという本栖湖へ行った。千円札の裏に描かれた図柄である。残念ながら波があって逆さ富士にはお目にかかれなかったが、より近くで見る富士山は圧倒的な存在感である。
駐車場のトイレは有料だった。昨年夏から入山料の徴収も行われている。世界遺産に登録された富士山の環境を守るためである。
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近畿2府4県のうち大阪だけが世界遺産がない。
大阪府や堺市、羽曳野市、藤井寺市が共同で、百舌鳥(もず)・古市古墳群を世界遺産に登録する取り組みを進めている。
堺市の東西・南北約4キロに40基以上の古墳が点在する百舌鳥古墳群では、世界最大級の墳墓とされる前方後円墳の仁徳天皇陵が有名だ。
羽曳野市から藤井寺市にかけて広がる古市古墳群は、墳丘の長さが400メートルを超える応神天皇陵など44基が現存する。
ぜひ世界遺産に登録してほしいし、その価値は十分にあると思うのだが、地元の盛り上がりが今一つである。
司馬遼太郎さんが「大阪の原形」でこう書いている。
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古代史学者は、弥生時代につづくこの巨大な沈黙の時代(文字のない時代)を、古墳時代と名づけている。4世紀前後にはじまり、6、7世紀までつづく。その末期は、文字を持つ時代に入る。
