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【記者回顧 関西経済(4)】「電気代再値上げ」が突きつけた現実…利用者「がまん」すれど、原発動かぬば解決しない電力不安

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【記者回顧 関西経済(4)】
「電気代再値上げ」が突きつけた現実…利用者「がまん」すれど、原発動かぬば解決しない電力不安

 こうした中で、電気料金の再値上げを申請したのだから、利用者から不満の声が高まるのは当然のことだ。

 批判覚悟で値上げを目指すのは、経営危機を避けるためにほかならない。それほど関電は追い詰められている。

 関電の業績が悪化したのは予想以上に遅れた安全審査が主因だ。関電は昨年7月、大飯、高浜原発の安全審査を原子力規制委員会に申請したが、審査は立ち往生した。最重要課題となる基準地震動(想定される最大の揺れ)の数値をめぐる話し合いが難航したためで、関電が数値を高めに見積もった安全対策を行うことで、ようやく稼働にメドをつけた。

 一方、老朽化した原発の扱いも焦点だ。経済産業省は10月、電気事業連合会に、運転開始から40年前後が経過した、関電高浜原発1、2号機(福井県)や中国電力島根原発1号機(島根県)など国内計7基の老朽原発の廃炉判断を急ぐよう要請。関電は今月1日に、高浜原発1、2号機の運転期限延長に必要な「特別点検」を開始したが、他の5基の明確な判断は明らかになっていない。原発や再生可能エネルギー、化石燃料などをどう組み合わせて日本のエネルギーを賄っていくかの政府方針さえ固まっていない中で、莫(ばく)大(だい)な費用のかかる廃炉に逡(しゅん)巡(じゅん)しているのが現実だ。

 「断腸の思い」。24日の電気料金の再値上げの申請発表で、関電の八木誠社長は険しい表情を浮かべたが、安全確認できた原発がスムーズに稼働しなければ、苦渋の思いはやむことはないだろう。

                             (板東和正)

                  ◇

 今年もあとわずか。円安は景気を牽(けん)引(いん)した一方で、輸入品の物価を押し上げ家計に負担を強いている。消費税増税の痛手も癒えていない。関西経済の1年を記者が振り返った。

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