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【「正論」懇話会2014】
平尾誠二氏「日本の精神…力を出し切ってこそ成長する」(11月18日、福岡市で開催)
11月18日、福岡市中央区で開かれた九州「正論」懇話会の第115回講演会。神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネジャーの平尾誠二氏が講演し、ラグビー指導者や選手の変化を通じて「日本人のメンタリティーにあったリーダーシップのあり方を」と訴えた。講演の主な内容は以下の通り。
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■日本人は人のために力を発揮
私が現役だった頃のラグビー選手はむちゃくちゃでした。チームが東京遠征した際は、試合の話なんてせず、渋谷や六本木で何時に待ち合わせるかばかり話していました(笑い)。
主将だった私はせめて門限だけでも設定します。みんなギリギリになって帰ってきたと思えば、その後、こっそり飲みにいく。門限なんて意味がありませんよ。
だけど試合は見事なものでした。飲み歩いて一睡もしていなかろうが、コンディションが悪かろうが、まさに命がけで戦った。
最近の選手はどうでしょうか。みんな素直でいい子です。ひねくれている選手なんておらず、ルール破りもなくなりました。
ですが、入部直後から「試合で活躍する」と宣言する選手もいなくなった。選手が自身のキャリアを段階的に考えるようになり、その時その時を全力で戦う気迫が薄くなっている気がします。
高校時代にお世話になった伏見工高(京都)の山口良治総監督の話をしましょう。
3年の頃、ある高校と試合しました。
前半で50対0と大量リードです。ところが、山口監督は怒り狂っています。「なめてんのか」と。
ハーフタイム中、選手全員を殴った後、こう言いました。
「お前らは日本一を目指しているんだろう。この試合は日本一に近づいているのか。人間っていうのは、力を出し切れば、少し実力を増す。妥協すれば、実力を減らしていく。そうして、力を持った相手には、こてんぱんにやられるんだ!」
無意識のうちに、われわれ選手は「楽して勝とう」と考えていたんですね。山口監督に「爪先まで力を出し切れ」とたきつけられ、選手は「お祭り状態」。後半は75点取りました。

