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【累犯障害者 塀の中の福祉(1)】「出所後にエロ本買いたい」…罪と罰どう理解させる PFI刑務所、社会復帰に向けた民間ならではの「福祉的支援」

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【累犯障害者 塀の中の福祉(1)】
「出所後にエロ本買いたい」…罪と罰どう理解させる PFI刑務所、社会復帰に向けた民間ならではの「福祉的支援」

知的障害者らを収容する「特化ユニット」を備えたPFI刑務所「播磨社会復帰促進センター」。民間が運営に加わっている=兵庫県加古川市

 DVDの再生から1カ月後の10月24日、今度は男を精神鑑定した男性医師の証人尋問があった。

 医師は「被告が真に反省している可能性は高い」としつつも「悪いことは悪いという経験を重ねることが必要ではないか」と、刑罰を受ける必要性を指摘した。

 すでに前回の「無罪」は覆っている。今年8月、2審大阪高裁が懲役2年の逆転有罪を言い渡した。精神鑑定の結果から、男が善悪の判断や行動の制御ができない「心神喪失者」だったという結論を導いた1審判決を「誤解だった」と破棄したのだ。

 弁護人は上告したが、男はこれからどこまで自らの罪と罰を理解できるのか。男のような再犯を重ねる知的障害者、いわゆる「累犯障害者」を生み出さないために、刑務所にできることはあるのだろうか。

官民協力し処遇

 民間企業が運営に加わるPFI刑務所、播磨社会復帰促進センター(兵庫県加古川市)。JR加古川駅から車で約30分の山あいにあり、知的障害や精神疾患のある受刑者を収容する「特化ユニット」を備える。

 7月末時点で、収容者の1割強に当たる85人が特化ユニットで服役していた。3つの工場に分かれて部品の仕上げやキッチン用品の包装といった簡単な刑務作業を行い、社会復帰に向けた教育プログラムや職業訓練も受けている。

 処遇には国家公務員である刑務官と、大林組の関連会社や綜合警備保障などの民間企業のスタッフが協力して携わる。中でも、教育プログラムを企画立案し、実行に移しているのは民間スタッフだという。

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