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反捕鯨活動を取材した元AP通信記者 和歌山・太地町に移住し「古式捕鯨」屏風の展示企画

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反捕鯨活動を取材した元AP通信記者 和歌山・太地町に移住し「古式捕鯨」屏風の展示企画

スクリーンに映しだされた「古式捕鯨」の屏風について説明するジェイ・アラバスターさん(右)=和歌山県太地町

 400年あまりの捕鯨の歴史をもつ和歌山県太地町。町立くじらの博物館では、かつて地元で行われた「古式捕鯨」の様子を描いた江戸時代の屏風(びょうぶ)のデジタルデータを活用したユニークな展示が行われている。スクリーンに投影された屏風をパソコンからクリックすると、日本語と英語で解説が表示される仕組み。同町に移り住んで捕鯨の研究をしている米国人、ジェイ・アラバスターさん(39)が企画し、「太地の歴史を知るきっかけになれば」と話している。(小泉一敏)

 屏風は、潮岬から三重県にかけての熊野灘で、江戸時代に太地、三輪崎、古座の鯨組の古式捕鯨を描いた「紀州熊野浦捕鯨図屏風」(縦約1・2メートル、横約3・4メートル、県立博物館所蔵)。同町歴史資料室が、屏風全体をスキャンしてデータ資料として保存していたのを、アラバスターさんが展示用に手を加えた。

 古式捕鯨は江戸時代から行われ、多いときで400人を超える漁師たちが数十隻の手こぎ舟で沖合に出て、クジラを網で取り囲み、銛(もり)を打って仕留める漁法。明治時代まで続いた。

 屏風には、暴れ回るクジラを懸命に捕獲する漁師たちの姿が描かれている。同館では、屏風を大型スクリーン(横約4メートル、縦約2メートル)にプロジェクタを使って投影。古式捕鯨の際の見張り台だった燈明崎や梶取崎(かんどりざき)などの場所にパソコンのカーソルを移動させてクリックすると、説明が日本語と英語で浮かび上がる仕組みになっている。今後は、解説するポイントに動画や現在の画像を加え、内容を充実していくという。

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