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【デビュー】海外観光客を呼ぶ切り札、カジノでなく「競馬」だ 騎乗2万回の騎手あがり広報マン

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【デビュー】
海外観光客を呼ぶ切り札、カジノでなく「競馬」だ 騎乗2万回の騎手あがり広報マン

 34年間の騎手生活にピリオドを打ち、地方競馬の魅力を伝えようとフリーの広報マンに転身した三野孝徳さん(53)。講演会や交流会などを通じて、「競馬を知らない人がまだまだ多い」と実感している。成績などのデータだけでなく、騎手の人柄や馬の個性などを知り尽くした、元騎手ならではの貴重な情報や競馬場の楽しみ方までも精力的に発信している。

 --三野さんが活躍された兵庫競馬の在厩馬頭数は

 合計で平均1000頭。良い馬はJRA(日本中央競馬会)にはいっぱいいますが、馬場が広いのでドドッという馬の足音を感じられない。だから、間近で見たい人は地方競馬に行く。臨場感が違いますからね。

 《兵庫県競馬組合が管理する園田競馬場と西脇トレーニングセンターには約60の厩(きゅう)舎(しゃ)がある》

 --競馬場が最近、元気がないと聞きますが

 景気の影響は大きいですよ。ただ、昨年に比べると、園田は110%以上売り上げが伸びています。

 --広報の成果もあり、元気を取り戻してきたようですね

 地方競馬は公営事業なので、宣伝には制約もある。そこで僕の出番です。最近は、いろんなところで競馬の魅力についての講演をさせていただき、交流会や勉強会にも参加して、週に約100人と名刺交換をしています。みなさん、昔の汚い競馬場のイメージがあるようですが、ナイター営業(冬期休業)は女性客が多いし、特別席もあって、一回来ると案外通ってくれるお客さんも多いんです。イルミネートされた夜は雰囲気もいいので、ぜひデートにも使ってほしい。

 --交流会は重要な広報活動の場ですよね

 交流した人たちからはよく、「騎手と話したのは初めて」と驚かれます。騎手は日本に400人くらいしかいない。“元”騎手の僕も、現役時代は外部の人と接触していなかった。閉鎖的な世界なんです。騎手にお金かけるから、いらんこと言うと噂になる。だから世間の人は、騎手のことを知らなかったんですね。でも、実は「競馬の話を聞きたい」という人もたくさんいて、聞けば興味を持ってくれるんです。

 --最近はタレントを起用した競馬のCMもありますね

 僕は騎手あがりなんで、やっぱり騎手や馬を前に出したい。今まで騎手は自分の出し方を知らなかった。だから彼らのインタビューや写真を兵庫県騎手会のホームページでどんどん露出してます。それによって彼らも話すのがうまくなっているし、ファンも情報を出してほしいと言ってくるんです。

 僕の強みは自由に場内を行き来できること。ファンの要望をダイレクトに聞いて、僕自身がホームページに写真を張り付けたり、文章を書いたりして、リアルな情報をいち早く発信できる。

 --広報マンとしての今後の目標は

 海外からの観光客の受け入れも考えています。今、各地にカジノをつくる構想がありますが、僕たちに言わせれば、新しいことをしなくても競馬を公営ギャンブルとして十分生かせる。今こそ、もっと競馬界に力を注いでほしい。もし官民一体でできれば、うまくいくのではないかと思います。その方向にもっていくためにも、自分が成果を出し、ものを言える存在にならないといけませんね。

         文 北村博子

         写真 南雲都

 ■プロフィル

 昭和36年生まれ。騎手の傍ら、兵庫県騎手会長も10年以上務めた。騎手を引退後に会のホームページを立ち上げ、閲覧者は半年で1万人を突破する人気に。現在は広告イベント会社「HRA」の代表を務め、主力商品の「騎手ズボン広告」と「園田競馬場内広告」の収益は、騎手の福利厚生などに充てている。

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