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【衝撃事件の核心】海外旅行や愛人との逢瀬…15年間で不正取引94億円 循環取引で会社資産を食い荒らしたベテラン商社マンの素顔

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【衝撃事件の核心】
海外旅行や愛人との逢瀬…15年間で不正取引94億円 循環取引で会社資産を食い荒らしたベテラン商社マンの素顔

 帳簿の数字を動かすだけで多額の現金が懐に入り、仕事の実績にもつながる循環取引。その〝魔力〟にとらわれた中堅商社元社員の男が、詐欺容疑で大阪府警に逮捕された。架空取引をでっち上げ、工事代金の一部をキックバックさせていた不正を隠蔽するため、循環取引が始まったという。15年間で積み上げた不正取引の総額は約94億6千万円。男はだまし取った金を海外旅行や愛人の生活費など主に遊興費に充てていた。抜群の業績で周囲の信頼を集めたベテラン商社マンの素顔は、肥大した欲望を満たすため会社の資産を食い荒らす「獅子身中の虫」だった。

氷山の一角

 東証1部上場の機械商社「椿本興業」の名古屋支店で働いていた元社員、籾井(もみい)新一郎容疑者(56)。工事の発注から工事代金の支払いまで実務を一手に任されていた。与えられた大きな権限を悪用し、椿本興業に架空の工事を下請け企業に発注させ、工事代金をだまし取っていたという。

 事件では、籾井容疑者と共謀した詐欺容疑で、椿本興業と長年、取引関係にあった機械メーカー「川端エンジニアリング」社長の川端孝男(47)と、双子の弟で同社元社員の利昭(47)の両容疑者も逮捕されている。

 大阪府警によると、下請け企業に架空取引を持ちかけたのは孝男容疑者だったという。

 「助けてやってくれないか」。平成19年12月、以前から付き合いのあった電子機械会社に、椿本興業が発注したクレーン設置工事をいったん下請けし、そのまま孫請けに発注するよう頼んだ。見返りとして、電子機械会社には工事代金の5%をマージンとして支払う約束をしたという。

 話はじきにまとまり、椿本興業-電子機械会社-孫請け企業の間の架空取引は翌20年5月まで計3回繰り返されたとされる。

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