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【ビジネスの裏側】虫が良すぎる?ノーベル賞・中村氏の“復縁”申し出、“大人の対応”で拒絶した日亜化学…わだかまり示す証拠を発見

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【ビジネスの裏側】
虫が良すぎる?ノーベル賞・中村氏の“復縁”申し出、“大人の対応”で拒絶した日亜化学…わだかまり示す証拠を発見

文化勲章の授与式後に会見する中村修二教授。古巣の日亜化学工業に“仲直り”を呼びかけた=東京都新宿区

 中村氏が青色LEDの技術開発に対する対価を正当に得られなかったと訴えた訴訟の和解から10年近くたった今も、日亜化学は当時の待遇は正当だったと主張し続けているのだ。心情としては「まだ争いが終わっていない」(知財専門家)中、中村氏との対話は不可能だったとみられる。

 それでも日亜化学は中村氏に対するわだかまりを極力、表に出さず「弊社に対する深い感謝を公の場で述べておられ、それで十分」(公式コメント)と丁重な姿勢で応じた。「中村氏の気持ちを最大限尊重した大人の対応だ」と評価する企業関係者は多い。

 ただ、今回の復縁が実現しなかったことで、ノーベル賞学者が、日本企業と研究する機会が失われてしまったのも事実だ。中村氏は11月5日、記者団の取材に対し、日亜化学が面会を拒んだことについて「非常に残念。これ以上の進展はない」と落胆した様子で語った。関係改善への道は、これで完全に断たれた。

 中小企業などの知財経営を支援する一般社団法人「知的財産教育協会中小企業センター」(東京)の高崎充弘センター長は「私が日亜化学と同じ立場だったら中村氏と面会する」とした上で「対話によって新事業を起こすチャンスになれば企業の利益拡大につながるし日本経済にも貢献できる。日亜化学は、もったいないことをした」と指摘する。

天才を逃さないために

 一方、日亜化学と中村氏の争いを横目に見てきた製薬やゲーム業界などは、優秀な人材を辞めさせない報奨対策を充実させてきた。武田薬品工業は16年7月から、研究社員に支払う報奨金の上限額を撤廃し、売上高に応じた金額を支払う方針に切替えた。カプコンも開発者に対して、給与や賞与とは別に、ゲームソフトの収益の一定割合を配分する制度を導入している。

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