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西成・あいりんの簡易宿「大部屋規制」でピンチ…低価格、円安で外国人に大人気なのに

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西成・あいりんの簡易宿「大部屋規制」でピンチ…低価格、円安で外国人に大人気なのに

満室を利用者に知らせる大阪・西成のあいりん地区内にある外国人対応の簡易宿泊所。利用者の受け入れは限界に達しつつある

 条例の壁 こうした事業拡大の動きを阻んでいるのが、旅館施設の構造基準に関する市条例の改正(20年施行)だ。新たに簡宿を設けるときは、客室の半分以上を2人以上で使う部屋にしなければならなくなった。

 あいりん地区の既存の簡宿は1人用の個室を並べた構造が多い。施設を買収した場合、新たに旅館業法の許可を取り直す必要があるが、条例の基準に合わせるために半分以上の個室を壊さなければならず、多額の改修費用がかかってしまうという。

 なぜ、このような規定ができたのか。

 そもそも旅館業法はホテル、旅館、簡易宿所、宿泊の4業態を規定。このうち簡易宿所については「宿泊する場所を多数人で共用する構造」と定義しており、市生活衛生課の担当者は「旅館業法の趣旨に沿うようにした」と説明する。

 条例改正前から旅館業法にのっとった施設にするよう指導していたともいい、個室がメーンとなっている既存の簡宿はあくまで“例外”との位置づけだ。

 「観光政策の視点欠く」 こうした行政の姿勢に対し「原則論よりも簡宿が人気になっている現状を重視すべきだ」と訴えるのは、OIGの顧問を務める阪南大の松村嘉久教授(観光地理学)だ。「格安航空会社(LCC)の新規就航や円安効果で外国人宿泊客はさらなる増加が見込まれる。外国人をしっかり取り込めば西成はますます発展できる」と指摘する。

 西成の住宅事情に詳しい大阪市立大の水内俊雄教授も「条例改正の際に、西成の簡宿街が国際集客の資源になるという観光政策の視点が見落とされていた」とみる。

 現状の規制は西成の活性化を目指す市の政策にもそぐわないように見える。水内教授は「地域を西成に限定する形で条例の基準を見直してはどうか」と提案している。

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