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いつもの席で寡黙な健さん 「映画のイメージ通りの紳士」常連だった京都・喫茶店オーナー思い出語る

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いつもの席で寡黙な健さん 「映画のイメージ通りの紳士」常連だった京都・喫茶店オーナー思い出語る

高倉健さんがいつも腰掛けていた「指定席」を前に往時を振り返る「花の木」オーナーの門田貞三さん=京都市北区

 今月10日に亡くなっていたことが明らかになった名優、高倉健さん(83)。大のコーヒー好きで知られた高倉さんが足しげく通っていた京都市北区の喫茶店「花の木」のオーナー、門田貞三さん(65)は「映画のイメージ通りの紳士だった」と振り返る。苦難にじっと耐える寡黙な主人公。そんな映画のイメージと同様、喫茶店で過ごすときも寡黙だったという。「店を出るときには『ごちそうさまでした』と一礼をする、とても紳士的な方だった」と惜しんだ。

 「花の木」は昭和41年に開店。門田さんは2代目で、開店直後からアルバイトとして働いていた。開店から数年後、高倉さんは京都で撮影があると連日訪れるようになった。門田さんも最初は緊張していたが、「次第に慣れた」という。

 多くの学生が出入りする店内は、いつもにぎやか。「学生たちも、健さんがいるときは騒がずに我慢しているようで、帰ってから『あれ高倉健やったよな』とざわついていました」と振り返る。

 当時、東映の任侠(にんきょう)映画に出演する俳優だった高倉さんは、撮影が終わると、スタッフや共演者を伴って店を訪ね、サイホンで抽出する店自慢のブレンドコーヒーを心ゆくまで味わっていたという。

 40年以上前のある日、高倉さんは「いつも迷惑を掛けているので」と、フランスの俳優、ジャン・ギャバンの特大ポスターをプレゼントしてくれた。そのポスターは今も、店のカウンターに大切に貼られている。

 最後に会ったのは1年半ほど前。夕方になり閉店しようとしていたところ、高倉さんが店を訪れた。いつもの席に腰を掛けると、プレゼントしたポスターを眺めながら、同席していた人に「まだ飾ってくれてる」とうれしそうに話していた。

 「少し痩せたように感じたが、背筋をピッと伸ばして、80代とは思えないほど元気な姿だった」。門田さんはそうしみじみと語ると、「またポスターを見てもらえると思っていたのに、あれが最後の姿になるなんて」と、思わず言葉を詰まらせた。

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