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【関西の議論】「知的障害=刑が軽くなる」は本当か 神戸女児殺害、奇行トラブル男の刑罰めぐるネット流言 

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【関西の議論】
「知的障害=刑が軽くなる」は本当か 神戸女児殺害、奇行トラブル男の刑罰めぐるネット流言 

 だが、遺体を何カ所も切断したほか、遺体を入れたポリ袋を自宅そばの雑木林に捨て、ポリ袋の中には自身の診察券が入っているなど、行動に不可解な点も多い。

 事件前は普段からほぼ毎日酒を飲み、パンツ1枚で周辺をうろついたり、目が合った人に「こっち見るな。殺すぞ」と暴言をはいたり…。奇行を繰り返して近隣住人とトラブルを起こしていた。

 犯行当時も酒を飲んでいたとみられており、神戸地検は31日、刑事責任能力を調べるため裁判所に鑑定留置を請求、認められた。

責任能力の判断基準

 中京大法科大学院の緒方あゆみ准教授(刑事法)によれば、精神疾患がある人の刑事責任能力の有無・程度の判断基準は昭和59年7月の最高裁決定で示され、犯行当時の病状や事件までの生活状態、犯行動機などを総合的に考慮して認定することになった。

 アルコールもただ酒に酔っていたという程度では責任能力の判断に影響しないとされる。犯行当時は異常な酩酊(めいてい)状態にあったとして本来は刑罰を科さない「心神喪失」と判断されても、酩酊状態になれば事件を起こすことが分かっていた、あるいは予見できたのに飲酒したとして、完全責任能力を認めた判例もある。

 では、知的障害はどうだろうか。緒方准教授が近年の判例動向をデータベースで調べたところ、軽度の知的障害のみで心神喪失や刑罰を軽くする「心神耗弱」が認められた例は見当たらなかった。

 軽度の知的障害に加え、責任能力に影響する精神疾患などがある場合に心神耗弱を認めた判例が平成11年以降に4、5例あった程度だという。

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