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【人工ボディー技師(4)】暴力団も顔負けコワモテ刑事たち「姉ちゃん、何しに来たんや?」 組抜け発覚で殺された無念

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【人工ボディー技師(4)】
暴力団も顔負けコワモテ刑事たち「姉ちゃん、何しに来たんや?」 組抜け発覚で殺された無念

 高度な技術を駆使して、けがや病気、先天的な障害で失った体の一部を人体用シリコーンで復元する人工ボディー。技師の福島有佳子さん(43)のもとには、元暴力団員も依頼に来る。(聞き手 永原慎吾)

義指が形見になった…突然、大阪府警本部に殴り込んだ

 --福島さんのもとには、暴力団を脱退する「組抜け」をして社会復帰を目指す元組員も依頼に来るそうですね

 福島 平成4(1992)年に暴力団対策法が施行され、暴力団への取り締まりが強化されてきたころから、元組員の依頼者がとても増えてきました。

 --元組員の社会復帰に人工ボディーが役立つのですか

 福島 暴力団では、組を抜けるときに、左手の小指を切断することがあるそうです。そういう方々に小指を作っています。

 --仁侠(にんきょう)映画でよく取り上げられますね

 福島 私が出会った元組員の中に、暴力団を離脱したものの、仕事がなく、悩んでいる男性がいました。しかも、奥さんのおなかには子供がいたそうです。「妻子のためにやり直したい」。そう話した男性のために、私はすぐに指の型取りをして、義指の製作を始めました。

 --義指を受け取った元組員はとても喜んだでしょうね

 福島 いえ。約1カ月後に義指はできたのですが、その方は取りに来られませんでした。

 --何があったのでしょうか

 福島 後から、殺害されたと聞きました。暴力団を抜けるときのトラブルか、別のいさかいがあったのかは、はっきりと分かりません。ですが、こんなことを繰り返してはいけない、と強く思いました。私が元組員の社会復帰に携わるようになったのはこの出来事がきっかけです。

 --具体的にどんな行動を取られたのですか

私は無鉄砲(苦笑)…元組員の義指を作り20年、刑務所内から感謝の手紙(苦笑)

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