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【世界を読む】チベットの「聖なる大地」を汚す中国の乱開発…抗議デモに銃口向け、漢人のため資源を“収奪”

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チベットの「聖なる大地」を汚す中国の乱開発…抗議デモに銃口向け、漢人のため資源を“収奪”

「聖なる大地」を浸食する乱開発

 一方で、こうした乱開発が大地の疲弊につながっている状況が報告されている。ロンドンに本拠を置く世界的なNGO「フリーチベット」によると、チベットはもともと地震多発地なのだが、鉱山開発やダム建設で地盤の不安定化が進行し、昨年3月には、ラサ東部にあるギャマ鉱山で大規模な地滑りが発生、漢人の出稼ぎ労働者ら83人が死亡・行方不明となった。

 チベットでは大規模な露天掘りの鉱山開発が展開されている。それは、聖なる山々を切り崩し、大地に穴を開け、挙げ句の果てに汚染物質をまき散らし、山河に垂れ流す。明らかに公害であり、チベットの人々の抗議活動は当然の帰結だ。

 しかし、当局や鉱山会社は軍や武装警官を呼び、丸腰のデモ隊に平気で銃口を向けたり、電気ショックを与える武器を使ったりするのだから、人権などあってないに等しい。

 追い詰められたチベット人の中には、自殺を抗議の手段に選ぶこともある。同団体のホームページでは、昨年5月、飛び降り自殺をした39歳の男性のケースを紹介。「チベットに自由はない。チベットは独立しなければならない。ダライ・ラマ(14世)に帰ってきてほしい」。そう叫びながら彼は制止する人々を振り切って死を選んだという。

 遊牧の地のチベットで、中国政府は過放牧が草原喪失につながるとして、無理やり遊牧民を定住化させている。一見、科学的な政策にみえるが、その裏にはチベット人から土地を取り上げ、その下に眠る天然資源を収奪する狙いがあるという。資源開発競争がチベットの大地を浸食しているのは疑いない。

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