産経WEST

【ビジネスの裏側】カセットこんろ作り45年…“最大手”岩谷産業がたどりついた究極のテクノロジーとは

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【ビジネスの裏側】
カセットこんろ作り45年…“最大手”岩谷産業がたどりついた究極のテクノロジーとは

岩谷産業の商品史上、最強の風よけ装置を備えた「風まる」。手前右はカセットガス=大阪市中央区(内山智彦撮影)

 どこでも手軽に調理が楽しめるカセット式ガスボンベをつかった「こんろ」。野外のバーベキューや家庭の鍋料理などで活躍し、東日本大震災以降は防災用品として注目されている。カセットこんろの事業化から45年を迎えたシェアトップの岩谷産業は、強風下でも火力が落ちないなど個性的な商品を開発している。たかがこんろということなかれ。ヒット商品の誕生の陰には細かな部品にも利用者の“かゆいところに手が届く工夫”が隠されている。(内山智彦)

難敵「風」に挑む

 「風の影響を受けにくいカセットこんろはないでしょうか」。平成22年冬。夏の営業シーズンを終えた東京・池袋の高層ビル屋上にあるビアガーデン運営業者からの1本の電話が、岩谷の新たな挑戦の始まりだった。

 ガスホースなしの手軽さから、野外に活躍の場が広がり続けていたカセットこんろ。ただ、登場当初から最大の敵は風だった。炎が風にあおられ、加熱性能は大幅に落ちる。岩谷は、これまでも蜂の巣状に穴を開けた金属板を風よけとしてこんろのまわりに立てた商品を開発していたが、「風速1メートルほどが限界」(同社)だった。ビル風が吹くビアガーデンなどでテストしたものの、既存商品はいずれも耐えられなかった。

 カセットこんろは商品化から約40年。その間、台所の据え付け型のこんろに比べ、半分程度だった火力をアップさせる「カロリー戦争」などの開発競争は起こったが、風対策は置き去りにされたままだった。

このニュースの写真

  • カセットこんろ作り45年…“最大手”岩谷産業がたどりついた究極のテクノロジーとは
  • カセットこんろ作り45年…“最大手”岩谷産業がたどりついた究極のテクノロジーとは

「産経WEST」のランキング