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【岡田敏一のエンタメよもやま話】あのU2に圧勝、大阪の音楽バンド“王道”戦略 2新作同時発売「陰陽座」の凄さ

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【岡田敏一のエンタメよもやま話】
あのU2に圧勝、大阪の音楽バンド“王道”戦略 2新作同時発売「陰陽座」の凄さ

 さて、今週の本コラムは久々となるロック音楽のお話です。

 9月23日付の本コラムでご紹介しましたが、アイルランド出身の超大物バンド、U2が9月9日、最新アルバム「ソングズ・オブ・イノセンス」を米アップルの音楽再生・管理ソフト「iTunes(アイチューンズ)」の利用者(世界119カ国の5億人)に無料で先行配布(配布時期は10月13日まで)したのですが、これが予想外の悪評を呼びました。

 この新作、アップルのデータ保存サービス「iCloud(アイクラウド)」の利用者が自動ダウンロード設定にしていると、希望していなくてもパソコンやスマホにこの新作アルバムが勝手にダウンロードされていたうえ、クラウド内からの削除が極めて困難だったため、欧米では、U2を全く有り難いと思わない若い世代の利用者がこのぶしつけな押し売りに「聞きたくもない音楽が勝手にダウンロードされていて、削除もできない」「スマホの貴重な保存容量が聞きたくもない音楽に占領された」などと交流サイト(SNS)に続々不満を書き込んだのです。

 慌てたアップルは9月16日、アイコンをワンクリックするだけでこの新作アルバムを削除できる専用サイトを開設し、事態の収拾を図ったのですが、今回のU2を巡る騒動で、今や音楽は配信&ユーチューブでタダで聞きまくるのが当たり前どころか、タダでも聞きたくない音楽まで登場してしまったと大いに話題になりました。

 欧米でのこの“U2 backlash(U2への反発)”騒動でも分かるように、もはやいちいちデータをあげつらうまでもなく、CDはちっとも売れません。

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 それでもまだ日本は欧米に比べるとCDは売れている方なのですが、ご存じのように、売れているのは、握手券に代表される“おまけ付き”のものだけです。おまけも何も付いていないCDがどれほど売れないかについては、2012年暮れの第63回NHK紅白歌合戦にも出場した大人気のヴィジュアル系エアーバンド(実在のバンドに成り切り、架空の楽器を演奏すること)4人組、ゴールデンボンバーの例を見れば明らかです。

 彼らが今年8月に発売した15枚目のシングル「ローラの傷だらけ」(461円、税別)は、ボーカル担当の鬼龍院翔さんが「今消費されるCDは特典の方に需要が傾き、収録された音楽、歌のほうがオマケのようになってしまっています」(当人のブログより)という状況に疑問を感じ、純粋に“音楽”だけを売ることにし、ジャケットは真っ白、特典(おまけ)一切なし、通常盤のみ、という形態で発売したところ、オリコンの週間チャートで初登場2位、初動売り上げ4万3000枚と好成績ではあったのですが、前作のシングル「101回目の呪い」の売り上げ(約15万8000枚)の3分の1以下に落ち込んだのです。

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