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【虚偽表示1年】(中)「大阪名物」は石川県産…「製造所記号」巡り攻防激化

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【虚偽表示1年】
(中)「大阪名物」は石川県産…「製造所記号」巡り攻防激化

製造所固有記号の記載を示す表示の例。ペットボトルなどにも表示されている。

 JR新大阪駅の売店で土産物を調べてみた。手に取ったどの商品にも「販売者」の記載しかない。社名の横に印字された1、2文字のローマ字が固有記号だろう。

 問い合わせると「大阪名物」をうたうスナックは石川県で作られていた。「京都」の漬物は滋賀産。「神戸」を冠した菓子は九州産だった。

 実は土産物の食品では、メーカーが販売者から委託を受けるOEM(相手先ブランドによる生産)が珍しくない。風光明媚(めいび)な土地と土産が作られた場所は必ずしもイコールではないわけだ。だが、観光客はそうは思っていない。もし固有記号制度が見直されれば、業界への影響は必至だ。

◆ ◆ ◆

 「食品表示を考える市民ネットワーク」(東京)は6月、市販のレトルトカレーとミートソースの販売者31社に固有記号の製造所が実際どこにあるか電話で尋ねた。結果、半数近い14社が所在地を答えなかった。「知られると困る」と一切の情報開示を拒否した社もあったという。

 大手の食品会社もOEMを行っている。業界関係者は「ライバル社同士が同じメーカーに生産委託していることもある」と打ち明けた。こうした内情を覆うために、記号のベールは必要なのだ、と。

 「結局は事業者の利便性を図った制度にすぎない。消費者に必要な表示になっていない」

 消費者委員会の専門部会で、見直し議論にあたっている石川直基弁護士(大阪弁護士会)はこう切り捨てた。「ラベルを一目見て分かるほうがいい」と記号廃止を強く訴えている。

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