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【虚偽表示1年】
(中)「大阪名物」は石川県産…「製造所記号」巡り攻防激化

たとえば、手元にあるペットボトルを見てほしい。
製造所固有記号は賞味期限の後に記載-。こんな表示がないだろうか。
飲料水だけでなく、加工食品には必ず、製造者名を書かなければならない。ただ、あらかじめ消費者庁に届け出た記号があれば、名称やその所在地の記入を省略できる。
平仮名、カタカナ、アラビア数字、ローマ字から何を使ってもいい。1文字でも、組み合わせてもいい。それが製造所固有記号だ。
今、この記号をめぐる議論が騒がしい。
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きっかけは年末年始に世間を騒がせた「アクリフーズ」(現マルハニチロ)群馬工場の冷凍食品農薬混入事件だった。
回収対象となった49品目のうち、プライベートブランド(PB)商品の10品目には「アクリフーズ群馬工場」の記載がなく、一見して分からない固有記号しかなかった。このため「気づかずに食べてしまう」と批判が相次いだ。
事件を受け、消費者庁は製造者情報を「原則表示」とする見直し案を、内閣府消費者委員会の専門部会に提示した。
だが、この案に多数の事業者がかみついた。パブリックコメントでは賛成30件に対し、反対が800件に上った。
「土産物の業界で、中小零細事業者が廃業に追い込まれる」
見直し反対の意見の一つだ。どういうことか。