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「議会は障害」専決乱発で市は真っ二つ 鹿児島・阿久根

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「議会は障害」専決乱発で市は真っ二つ 鹿児島・阿久根

鹿児島県阿久根市長時代に竹原氏が行った主な専決処分

 大阪都構想の協定書(設計図)議案が大阪府市両議会で否決され、今後は橋下徹市長らが専決処分に踏み切るかが焦点となる。鹿児島県阿久根市では約4年前に当時の竹原信一市長が議会を開かずに専決処分を“乱発”。「議会は障害」と強気の竹原氏に市民の賛成、反対が割れ、こうした事態を国が問題視して地方自治法が改正されるに至った。

 「議会は私が目指す市民サービスの障害になる存在だった。専決処分をしないのは、市民生活を良くする市長の責任に反する」。竹原氏は今も自らの判断に間違いはなかったと主張する。

 「官民格差の是正」を掲げて平成20年に市長就任。22年に6月の定例議会を開かず、市職員のボーナス減額、固定資産税の引き下げなど約20件で専決処分を連発した。

 県知事は、竹原氏の専決処分を地方自治法に反するとして議会の招集などを求める是正勧告を2回出し、議会側も専決処分の大半を「不承認」にした。だが拘束力はなく、竹原氏は専決処分の内容を取り消すような措置はとらなかった。

 市民は市長派と反市長派に割れた。リコール(解職請求)成立に伴う23年1月の市長選では「隣近所が敵同士になることもあった」(市議)。市長派の飲食店数軒では利用客が激減したといい、結局、竹原氏は864票差で敗れた。

 混乱は地方自治法も変えた。議長に臨時議会の招集権限が付与され、副知事や副市町村長の選任には議会の同意が必要と定められた。

 市民から“退場”を求められてから約3年9カ月。竹原氏は「議場で行われるのは議論ではない。事前に決めた結論を確認する儀式だ」と述べ、今なお議会への不信を口にする。

 都構想をめぐり議会と対立する橋下市長は議会の審議を「否決に持っていく儀式」と皮肉った。わが道を突き進む2人の言葉が重なって聞こえる。

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