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「正岡子規は病人ではなかった…」奈良の「子規の庭」で講演会 

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「正岡子規は病人ではなかった…」奈良の「子規の庭」で講演会 

多くの参加者が集った講演会「正岡子規が教えてくれた日本人の生き方」=奈良市

 俳人、正岡子規が随筆の中で思い描いた「子規の庭」の作庭8周年を記念した講演会「正岡子規が教えてくれた日本人の生き方」が26日、奈良市の日本料理店「天平倶楽部」で行われ、約90人が参加した。

 「子規の庭」は明治28年秋に旅行で奈良を訪れた子規が泊まった老舗旅館「對山楼(たいざんろう)」の跡地に、子孫で造園家の正岡明さん(69)=奈良市=が平成18年に作庭。講演会は「子規の庭保存会」(植野康夫理事長)が主催した。

 講師は「博多の歴女」として知られる白駒妃登美さん(50)。白駒さんは平成20年に子宮頸がんを患い、2年後には肺に転移。絶望のふちにあったとき、中学生の頃からの愛読書『坂の上の雲』に描かれた子規が結核で病床の身にありながら、「どんな苦しみの中でも生かされている今を明るく楽しみながら生きた」ことを思い出した。

 以来、「泣き暮らすのはやめ、今を精いっぱい生きよう」と考えるように。すると未来への不安は消え、がん細胞もなくなって「奇跡の回復」を果たしたという。白駒さんは「与えられた環境を受け入れて生きることを子規から学んだ。子規が私の人生を導き出してくれた」と話し、会場は大きな拍手に包まれた。

 参加した大阪府和泉市の河本睦子さん(70)は「子規は病気だったが、病人ではなかったのだと思う。子規の生き方や白駒さんの話に勇気をもらった」と話していた。

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