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【関西の議論】「軍師官兵衛」追い風ならず…「姫路おでん」の崖っぷち、補助金切れて試される”味”

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【関西の議論】
「軍師官兵衛」追い風ならず…「姫路おでん」の崖っぷち、補助金切れて試される”味”

しょうが醤油に浸したり、かけたりして食べる「姫路おでん」

 兵庫県姫路市の庶民の味として親しまれている「姫路おでん」が、大きな転換期を迎えている。一般のおでんは具材にからしを乗せるのが定番だが、姫路おでんの場合はしょうが醤油を使う。全国各地のB級グルメが競う「B-1グランプリ」にも出展するなどして売り出しているが、今年度は市の助成金が打ち切られ危機的状況に直面している。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」や、来年3月にグランドオープンを控える世界遺産・国宝「姫路城」でわき上がる陰で、播州発の一風変わったご当地グルメは生き残ることができるのか-。(上阪正人)

100年近い伝統…「おでん+しょうが醤油」は地域の味

 おでんにしょうが醤油を付けたりかけたりするのは、昭和初期から始まったとされる。姫路市の市川河川西域の浜手地域で、煮込みすぎて味が濃くなったおでんをさっぱりと食べるために考案され、次第に播州の庶民の味として定着していった。私も姫路で暮らすようになって1年足らずだが、食べ慣れるとおでんにしょうが醤油が欠かせなくなってくる。

 こうしたスタイルが地域固有のものであることに気づいた市民グループが平成18年、「姫路おでん」と命名。「姫路おでん普及委員会」を立ち上げて、全国に誇る地元の名物にしようとオリジナルキャラクター「しょうちゃん」を誕生させるなどPR活動に乗りだした。

 活動に賛同する姫路市内のおでん店や居酒屋などの店舗を紹介するガイドマップを発行し、26年度版では市内54店舗が紹介されるまでに協力店が増えた。また、姫路市内を中心に展開している洋菓子店「創作西洋菓子 大陸」が、竹串に刺したこんにゃくや卵、ちくわの具材に見立てたロールケーキに、しょうがパウダーをふりかけて食べる「姫路おでんケーキ」(380円)を販売するなど賛同の輪が広がっている。

 20年には各地の市民団体でつくる「B級ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会(愛Bリーグ)」主催の全国各地のB級グルメが競い合う「B-1グランプリ」久留米大会(福岡県)にも初参加。24年には地域団体商標を取得して、上海万博や韓国・天安市で行われた「食の国際博覧会」に出展するなど、国内外へ精力的に姫路おでんの存在を発信してきた。

赤字続きで「B-1」参加断念

 こうした地域の活動に、姫路市も平成19年度から昨年度まで、継続して年間50万~300万円、総額1200万円以上の助成金を交付してバックアップしてきた。

 ところが、今年度から助成金はゼロに。官兵衛ブームや姫路城のグランドオープンで世界中の観光客の注目が集まる一方で、市が姫路おでんのPR活動に支援することはなくなってしまった。

 市内の食品会社や飲食店でつくる「姫路おでん協同組合」によると、県からは毎年20万円の活動補助を得ているものの、2期連続の赤字に落ち込んでいるという。このため、今月18、19の両日に福島県郡山市で開催されたB-1グランプリへの参加を断念。愛Bリーグを退会せざるを得ない状況に追い込まれた。

 姫路おでんのブランド立ち上げから活動に携わっている同組合の前川裕司会長(59)は、「平成23年にB-1グランプリを姫路で開催し、これから姫路を“食のまち”として売り出すために、姫路おでんを地域の観光資源として定着させたい。それには地元行政の援護射撃が不可欠」と残念そうに語る。

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