産経WEST

関空、国際貨物の取り扱いが急増 外資に魅力の24時間運営 和食ブーム、医薬規制緩和が追い風に

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新


関空、国際貨物の取り扱いが急増 外資に魅力の24時間運営 和食ブーム、医薬規制緩和が追い風に

関西国際空港1期島の国際貨物地区=大阪府泉佐野市

 関西国際空港の国際線貨物の取扱量が急増している。11カ月連続の前年超えを記録。世界的な日本食ブームを背景とする農産物輸出や、関西に開発拠点などが多い医薬品の扱いが伸び、米物流大手がアジアと北米を結ぶ中継拠点(ハブ)を関空に置いたことが拍車を掛けている。設備やサポート態勢の充実、規制緩和が相乗効果を上げているようだ。

 関空に昼夜を問わず航空機が離着陸する一角がある。米物流大手、フェデラルエクスプレスが今年4月に開設したハブだ。

 北米とアジア各地から貨物を集めて、行き先ごとに振り分け発送する。処理能力は最大で毎時9千個。同社幹部は「24時間空港である関空はハブを置くのにふさわしい」と強調する。

 同社ハブの稼働で、関空が一時的に受け入れ送り出す仮陸揚げ量は、4~6月の月間平均で前年同期比7割増の1万2700トンと急増した。

 農産物の輸出も好調だ。香港やシンガポールなどアジアの富裕層に人気の山梨県や岡山県産のブドウ、モモの輸出量は平成25年までの3年間で倍増した。関空はブドウの輸出全体の半分以上を担い、1割弱の成田を大きく引き離している。

 牽(けん)引(いん)するのは、関空を運営する新関西国際空港会社が損害保険会社や金融機関、物流会社などと設立した協議会。運送中の事故に備える保険の引き受け、資金調達、物流などで中小企業の食品輸出を支援する。新関空会社航空営業部の新宮早人副部長は「日本食を海外の食卓に広げるのに寄与したい」と意気込む。

 医薬品も関空の得意分野だ。4年前に国内の空港で初めて整備した医薬品専用定温庫は、徹底した温度管理ができるのが特長で、月当たり最大800トンの取り扱いが可能という。

 また、関西は製薬会社の工場や開発拠点が多いことから23年に「関西イノベーション国際戦略総合特区」となり、医薬品の輸入手続きが簡略化された。こうしたことから、関空での26年上期の医薬品輸出入額は、24年上期から12・8%増え3781億円になった。

 今年8月の関空の国際線貨物取扱量は、前年同月比14%増の5万8009トンと11カ月連続で前年を上回った。しかし、まだ運賃の安い海運に押されており、12年10月に記録した8万8500トンには及ばない。

 このため、新関空会社は「速く運ぶ必要があるものや高価なものなど、空輸が必要な製品を扱う新規産業をいち早く探し出し、積極的に関空の利用を働きかけたい」としている。

「産経WEST」のランキング