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【衝撃事件の核心】忽然と消えた「2900人」の子供たち…誰も知らない行方、放置は「死」を招く

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【衝撃事件の核心】
忽然と消えた「2900人」の子供たち…誰も知らない行方、放置は「死」を招く

行政-学校-警察

 現場を預かる市町村は試行錯誤を続けている。

 昨年4月、所在不明となっていた女児=当時(6)=が遺体で見つかった横浜市。過去に事件のあった自治体では関係機関の情報共有が失敗している傾向があったことを教訓に、市や児童相談所、学校、警察などそれぞれの役割をはっきりさせたフロー図を作成。今年4月からは、学校などから上がってくる長期間不登校の子供の情報などを、虐待を担当するこども家庭課に報告する仕組みも取り入れた。

 親との関係の強化を模索する動きもある。

 奈良県宇陀市は昨年度から、生後2カ月の子供がいる家庭に対し、予防接種の段階で、市内限定の1万円分の商品券を配るというユニークな取り組みを始めた。地域振興や子育て支援が主な目的だが、居所不明児童・生徒の問題への効果も期待されている。

 一つは、生後2カ月時点での所在を確認できる点で、昨年度は新生児が148人いたが、全員が予防接種に訪れ、所在を確認することができた。

 もう一つが、親との関係強化。この場をきっかけに家庭と自治体とのつながりを作り、その後、親が育児相談などをしやすい関係性の構築へとつなげる-。そうすることで、市側は小さな子供を持つ家庭の状況を把握でき、将来的に居所不明の子供が発生した場合も、その家庭に応じたアプローチができる、という想定もあるという。

 同市の担当者は「子育ての状況を確かめることができ、コミュニケーションの場にもなる。自治体と親の関係強化につながる」と期待を込める。

 花園大の津崎哲郎特任教授(児童福祉論)は「居所不明の子供は非常に多い。市町村のマンパワーでは調査にも限界がある」と指摘。それを踏まえ、効果的な対応を取る必要があるとして「虐待のリスクのある子供を見極め、重点的な対策を取る必要がある」と求めている。

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