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【衝撃事件の核心】忽然と消えた「2900人」の子供たち…誰も知らない行方、放置は「死」を招く

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【衝撃事件の核心】
忽然と消えた「2900人」の子供たち…誰も知らない行方、放置は「死」を招く

 学校も、行政も居場所をつかめない。そんな子供が日本全国に約2900人もいる。政府は8月、「居所不明」となっている子供の今年5月時点の数字を公表した。実際は記録などがないだけでどこかで暮らしていて、行政側の“追跡調査”が甘いため居所不明扱いになっている子供も多いとみられる。だが、家庭ごと音信不通になるなどして、忽然(こつぜん)と世間から消えてしまった子供が一定数いることも確か。居所不明の子供は親から虐待を受けているリスクが高く、近年は育児放棄の末に衰弱死したり、暴行を受けて雑木林に捨てられたりした事件も発覚した。危機感を抱いた全国の市町村は、家庭訪問などによる確認作業を急ピッチで進めている。

事件の苦い記憶

 「一度も乳幼児健診を受けていない子供がいる」

 愛知県豊橋市。子育て支援課の担当者に、健診を所管する市こども保健課から連絡があったのは昨年秋のことだ。未受診だったのは4歳児。通常であれば「生後4カ月」「1歳半」「3歳」の段階で健診を受けているはずだが、いずれも未受診だった。

 早急に所在を確認する必要があり、父親のもとに担当者を向かわせたが、「どこにいるのかさっぱりわからない」。父親によると、母親はアジア系の外国人で、すでに2人は離婚しており、児童は母親が引き取ったという。

 入国管理局に照会すると、母親が出国した記録はあったが、児童の確認は取れなかった。児童は日本名以外でパスポートを取得していた可能性があったが、父親が外国人名を知らず、日本名でしか照会ができなかったことも理由と考えられている。

 もちろん、出国しておらず、何らかの事件に巻き込まれている恐れもある。市は愛知県警に相談したが、児童は所在不明だと判明してから1年近くが経過した今年9月現在でも行方不明のままだ。

 豊橋市では平成24年、女児(4)が両親に食事を与えられないなどのネグレクト(育児放棄)を受けた末、衰弱死したという事件があった。亡くなった加藤杏奈ちゃんは、市の健診を受けておらず、健診を担当する部署は所在もつかめていなかった。

 一方、両親は、児童手当や子ども手当を受け取っていた。健診とは別の部署に提出された書類には父親の健康保険証の写しが添付されており、そこには勤め先も記載されていた。

重要な手がかり、行政が共有せず…発端は「9歳児、実は生後に埋められてた」

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