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【御嶽山噴火】苦渋の丸一日捜索活動断念 「72時間の壁」無情にも経過…足止め隊員ら無念  

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【御嶽山噴火】
苦渋の丸一日捜索活動断念 「72時間の壁」無情にも経過…足止め隊員ら無念  

御嶽山での救助活動について確認する警察官ら=30日、長野県王滝村の松原スポーツ公園(山田哲司撮影)

 陸上自衛隊と警察、消防は30日、心肺停止状態のまま山に取り残された登山客らの救助・捜索活動を9月27日の噴火以来、初めて丸一日断念する事態に陥った。この日は災害時の生存率が急速に低下するとされる「72時間の壁」が迫る中、前日の3倍となる自衛隊員らの投入による捜索の進展が期待されていた。それだけに足止めされた隊員らは悔しがり、無念さを募らせた。

 「休めるときに休むんだ」

 長野県王滝村の臨時ヘリポートに待機した県警機動隊の若手隊員は、出動できずにもどかしがる後輩にこう言葉をかけた。「仕方ない…」と言葉を継いだが、悔しげな表情は自らに言い聞かせるようだった。

 この日、陸上自衛隊はこれまでの中型ヘリコプター(輸送人員14人)に替わり、大型ヘリ「CH-47」(同55人)2機を投入。前日の3倍となる180人の隊員を山頂に送り込む予定だった。だが、御嶽山では「火山性微動」と呼ばれる揺れが続き、振り幅が大きいため、捜索は翌日に持ち越された。

 噴火から72時間を超えた正午過ぎには、登山口から山頂を目指した隊員らも山頂を目前に下山した。

 有毒な硫化水素への新装備はそろっていた。防毒マスクが配られ、高性能検知器も全部隊に配備。捜索が実現すれば、数時間に限られていた活動を延長できる可能性も高かったという。

 山頂付近は硫化水素濃度が上昇し、再噴火の恐れも出た。

 緊急消防援助隊愛知県大隊の渡辺勝己大隊長(51)は「一人でも多く連れ戻したいが、自分の身を守れない環境では救出活動はできない」と話した。

 麓へ搬送こそできなかったが、心肺停止状態とみられる24人のうち、16人をすぐにヘリに収容できる地点まで運んでいる。新たに5人の位置も確認した。陸自第13普通科連隊の田中浩二3佐(54)は「捜索できていれば、16人と5人は収容できたのではないかと思う」と悔しさをにじませた。

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