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【ビジネスの裏側】サバ料理は3400万円も調達 支援者獲得や需要の把握にも…新たな資金調達の枠組み「クラウド・ファンディング」はベンチャー育成につながるか

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【ビジネスの裏側】
サバ料理は3400万円も調達 支援者獲得や需要の把握にも…新たな資金調達の枠組み「クラウド・ファンディング」はベンチャー育成につながるか

新鮮なトロサバを紹介する経営者の右田孝宣さん。来店客が選んだものを調理して提供する=大阪市北区のSABAR天満店

 インターネットを通じて不特定多数の投資家から少額資金を集め、個人や企業、組織の活動に提供する新たな金融の仕組み「クラウド・ファンディング(CF)」。単なる資金調達だけでなく、需要の把握や長期の支援者獲得につながるといった利点があり、大阪府が昨年から民間事業者に運営を委託したCFでは調達額が計1億円を突破するなど中小・ベンチャー企業の育成策として広がりを見せている。(栗川喜典)

 サバ料理に3400万円

 大阪市営地下鉄扇町駅(同市北区)の南東約200メートルにある飲食店「SABAR(サバー)天満店」。入り口そばの氷の詰まったケースから、もうもうと白いもやのような冷気がわき立ち、中には新鮮なトロサバがどっさりと並ぶ。

 「ここでお客さんが選んだサバを料理にして出します」。経営者の右田孝宣さん(40)がたっぷり脂の乗ったサバを手に笑顔を見せる。同店は全国的にも珍しいトロサバ料理専門店で、サバずしを製造販売する鯖(さば)や(大阪府豊中市)の社長、右田さんがアンテナショップとして1月に大阪市福島区で1号店を開店。7月に天満店を開業した。11月末には東京進出1号店を計画中で、出店費用など計約3400万円の資金調達に活用したのがCFだ。

 CFはネットを通じて不特定多数の投資家から少額資金を集めたファンドを作り、個人や企業、組織の活動に提供する新たな金融の仕組み。平成24年ごろから日本でもみられるようになり、金融機関の融資やベンチャーキャピタルの投資など従来の金融では担えなかった比較的小規模の資金調達手段として注目を集める。

 CFは出資者に対するリターン(見返り)の形態によって大きく3つに分けられる。出資者と投資先との間で匿名組合契約を結び、出資者が投資先の収益などに応じた分配を受け取る「投資型」、出資者から集めた資金を元手に製品・サービスを開発し、完成した品やサービスを提供する「購入型」のほか、リターンを求めない「寄付型」がある。

 大阪府の委託事業は調達額1億円を突破

 右田さんが活用したのは、大阪府が民間のCF事業者、ミュージックセキユリティーズ(東京)の子会社、大阪セキュリティーズ(大阪市北区)に運営を委託したCFだ。鯖やの地元の豊中商工会議所を通じて紹介を受け、「注目を浴びるきっかけになるかも」と活用を決めたという。

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