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【ビジネスの裏側】驚異的“快適な睡眠”はホテル客室9割を埋め、寝具売り上げ7倍をはじき出す…ストレス社会で高まる価値 寝具関連市場6800億円はなお成長

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【ビジネスの裏側】
驚異的“快適な睡眠”はホテル客室9割を埋め、寝具売り上げ7倍をはじき出す…ストレス社会で高まる価値 寝具関連市場6800億円はなお成長

 健康志向の高まりを受け、睡眠に関連する市場が活性化している。「快眠の提供」をサービスの柱とするホテルが好調なほか、寝具でも高級マットレスの売れ行きが急増。ストレス社会と呼ばれる現代、「眠り」の商品価値が高まりつつある。

選べる枕が好評

 フロント前に設置された棚には「低反発 少し硬め」などの説明板と、ピンクなどカラフルな枕がズラリ。大手ビジネスホテルチェーン「スーパーホテル」が誇る枕の貸し出しサービスだ。全105のホテルで導入している。

 大阪市天王寺区にあるホテルで選べる枕は52個。夜になると棚はほぼ空になる。「日常的な快適さで勝負しようとすると『眠り』になった」と同社の山本健策取締役は話す。

 創業以来、宿泊特化型の低料金サービスで業績を伸ばしたが、ホテル数が30を超えたあたりで稼働率が伸び悩んだ。突破口としたのが眠りの充実だ。

 ベッドの横幅拡大などにも取り組んだ結果、全ホテルの年間稼働率は現在平均89%と驚異的な数字を維持。山本氏は「眠りは新しい付加価値だ」と話す。

「革命的」な売れゆき

 阪急阪神ホテルズが運営する「レム」は、睡眠の追求に特化したホテルブランドだ。ベッドのマットレスは独自開発のオリジナル品で、枕の貸し出しサービスも行う。マットレスが気に入り同一品を購入する顧客もいるといい、同社は「快眠志向が強い消費者が着実に増えている」と分析する。

 矢野経済研究所によると、寝具関連商品の市場規模は平成25年で6807億円。4年連続で拡大中だ。睡眠市場の活性化は家庭用寝具でも顕著になっている。

 「革命的な現象だ」と話すのは、高島屋大阪店(大阪市中央区)の寝具関連売り場の責任者、高橋英雄氏。同店では、この3年で寝具関連商品の売り上げが7倍以上と劇的に増えた。

 中心は高機能マットレス。10万円弱の商品が飛ぶように売れており、今春から売れ筋メーカーのコーナーを設け、売り場を拡大した。品定めしていた大阪府八尾市の男性(48)は「いい睡眠につながるのなら、多少値が張ってもこだわりたい」。

 高橋氏は「消費者の寝具へのこだわりは枕に始まり、ここ数年でマットレスに広がってきた。健康へ投資する流れが強まっている」と話す。

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