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半永久的に消せない「デジタルタトゥー」… ネット社会で広がる罪の意識の薄さ JR大阪駅ビルの写真ばらまき騒動

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半永久的に消せない「デジタルタトゥー」… ネット社会で広がる罪の意識の薄さ JR大阪駅ビルの写真ばらまき騒動

 「写真が空から降ってきた」「全部同じ男の子の写真。不気味すぎ…」。19日夜、JR大阪駅ビルから少年の写真がばらまかれた騒動は22日、知人の少年2人がばらまいたことを認めた。個人情報をネットに掲載する「晒(さら)し」が蔓延(まんえん)する中、都会のど真ん中の“犯行”は「より話題になる演出」(専門家)とみられ、実際に居合わせた多くの人々がインターネットに投稿、わずか3日間で一気に拡散した。顔写真が晒された少年の被害回復は容易ではなく、陰湿化が止まらないネットの一断面を浮き彫りにした。

 大阪府警曽根崎署や同駅ビル運営会社によると、写真は数種類計約400枚あった。防犯カメラの映像などから、駅ビル10階のスペースからばらまかれたとみられる。現場に目立った混乱はなかったというが、都心で突然大量の写真がばらまかれた事態にネットは騒然となり、ツイッターなどで拡散した。

 同署によると、ばらまいたとみられる少年2人は事情聴取に「いつも割り込みをしてくる悪いやつを撮った」と供述。ネット上のトラブルに詳しい佛教大の原清治教授(教育社会学)は、「個人情報を不特定の目に晒すことを目的にしている。そんな陰湿なやり方がネット社会の拡大とともに増えている」と話す。

 だが、このように現実の世界で騒ぎを起こして、不特定多数にネット投稿させるような手口は珍しい。新潟青陵大大学院の碓井真史教授(社会心理学)は「最近はネットでの晒し行為が増え、単に投稿するだけでは目立たなくなった」と指摘。「より話題になる方法として、ビルの上階からばらまくという、ドラマのような“演出”をしたのではないか」と推測する。

 ネットに晒された写真や情報は転載、拡散され、半永久的に消せないことから、入れ墨に例えて「デジタルタトゥー」と呼ばれる。だが、軽はずみな行為は後を絶たない。

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