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【ビジネスの裏側】上海電力など外資メガソーラーが日本に続々参入する背景…高値買い取り価格おいしい商売、景観・自然破壊の懸念で地元トラブルも

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【ビジネスの裏側】
上海電力など外資メガソーラーが日本に続々参入する背景…高値買い取り価格おいしい商売、景観・自然破壊の懸念で地元トラブルも

 日本のメガソーラー(大規模太陽光発電所)事業に、外資系企業の参入が相次いでいる。背景にあるのは、再生可能エネルギーで発電した電気の買い取りを電力会社に義務付けた「固定価格買い取り制度」(FIT)だ。買い取り価格が高く設定されているため長期にわたり確実に収益が見込まれる魅力が外資を呼び込むが、乱開発による自然破壊への懸念から地元とトラブルになることも少なくない。ただでさえ、原発停止で火力発電用燃料の輸入コストが増大するなか、FITが日本の国富流出を加速させかねない情勢だ。

村を訪れた男性

 「日本の買い取り価格は高く、しかも20年保証。だから投資している」

 2月、寒さ厳しい福島県西郷村を訪れた男性は、役場関係者に、そう話したという。

 男性は中国の電力会社、上海電力の幹部。上海電力は同村で発電規模7・65万キロワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設する計画を打ち出している。もともと別の業者がゴルフ場開発を予定していたが頓挫(とんざ)し、塩漬けになっていた土地(59ヘクタール)という。

 上海電力は、西郷村だけでなく、栃木県や静岡県、大分県などでもメガソーラーを計画しているといわれる。すでに5月、大阪市住之江区のベイエリア、咲洲(さきしま)でメガソーラーを稼働させている。事業は平成45年10月までの予定だ。

外資の計画続々

 外国資本による日本でのメガソーラー計画が目白押しだ。米総合電機メーカー、ゼネラル・エレクトリック(GE)は平成30年度の稼働を目指し、岡山県瀬戸内市内の塩田跡地に国内最大級の約23万キロワットのメガソーラー計画を立てる。

 さらに、米ゴールドマン・サックス(茨城県、出力4万キロワット)▽ドイツのフォトボルト・デベロップメント・パートナーズ(PVDP、長崎県、43万キロワット)▽スペインのゲスタンプグループ(岩手県、約2万キロワット)など計画地は全国に広がる。

 相次ぐメガソーラー計画に対し、地元では建設時の雇用増大につながると期待の一方、外資系企業に広大な土地を買い占められることへの懸念も広がる。

 観光地として名高い大分県由布市では、外資系企業がメガソーラー建設用地を取得後に、景観への懸念から住民の反対運動に発展。市は1月、大規模な太陽光発電所を建設する際には届け出を必要とするなどの条例を制定し、市が知らない間にメガソーラーを進めることができないような仕組みをつくった。

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