産経WEST

ハンセン病作家、北條民雄の本名を公表 地元・徳島の冊子、生誕100年「業績を後世に」

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新


ハンセン病作家、北條民雄の本名を公表 地元・徳島の冊子、生誕100年「業績を後世に」

川端康成から北條民雄に宛てた手紙。宛名には北條の本名が記されている(徳島県立文学書道館・特別展より。日本近代文学館蔵)

 ハンセン病療養所に入所した自身の体験をもとにした小説「いのちの初夜」で川端康成に激賞された作家、北條民雄(1914~37年)の本名が、出身地である徳島県阿南市の市文化協会が発行した冊子で初めて公表された。ハンセン病への差別と偏見は家族にも及んだためペンネームで執筆。本名は死後も非公開のままだった。今年が北條の生誕100年にあたるのを機に、業績を本名で後世に伝えようという機運が盛り上がり、親族の理解を得て「七條晃司」の名が明かされた。(高橋義春)

川端康成が激賞

 北條は、軍人だった父が勤務した現在の韓国・ソウルで生まれ、母の故郷の阿南市で育った。10代後半でハンセン病を発症し、昭和9年に東京の全生病院(現・国立療養所多磨全生園)に入院。闘病生活を送りながら執筆活動に励み、師と仰いだ川端の後押しで11年に発表した「いのちの初夜」が文学界賞を受賞、ベストセラーとなった。

 当時、人々はハンセン病と診断されると差別を伴う不治の病として絶望したといい、北條は「いのちの初夜」で、隔離された療養所で極限状態に置かれた患者をこう表現した。

このニュースの写真

  • ハンセン病作家、北條民雄の本名を公表 地元・徳島の冊子、生誕100年「業績を後世に」

「産経WEST」のランキング