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【開港20年・関空の視界】(1)「人っ子1人いないひどい空港」がLCC活力で反転攻勢…アジアの玄関口への道はリージョナル・エアライン路線網の充実が鍵

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【開港20年・関空の視界】
(1)「人っ子1人いないひどい空港」がLCC活力で反転攻勢…アジアの玄関口への道はリージョナル・エアライン路線網の充実が鍵

9月4日に開港20年を迎えた関西国際空港。2期島もオープンしアジアの玄関口をめざす(本社ヘリから、村本聡撮影)

 「人っ子一人いない。なんてひどい空港なんだ」

 平成23年2月14日のバレンタインデー。日本初の本格的な格安航空会社(LCC)として4日前に産声を上げたピーチ・アビエーションの井上慎一最高経営責任者(CEO)は、初めて降り立った関西国際空港の光景に思わず息をのんだ。

 ピーチは24年3月に関空に就航するにあたって最初に本社を関空第1ターミナル西側の複合施設「エアロプラザ」に置いたが、ビルに入る飲食店やホテルは閑古鳥が鳴き、たまに訪れるのはターミナルと間違えた旅客という惨状だった。

 それから3年半、関空はピーチ専用の第2ターミナルを中心に活気にあふれている。早朝でも格安運賃で旅行を楽しむため女性客やシニア層が出発を待ち、エアロプラザの飲食店もにぎわう。

 ピーチの就航が「関西に眠っていた潜在需要を掘り起こした」(井上CEO)。ピーチ効果は関空全体に及ぶ。23年度に1386万人だった旅客数は25年度には1812万人に拡大。飲食や免税店を手掛ける商業事業も伸び、23年度に261億円だった売上高が25年度は330億円に膨らんだ。

苦難の連続

 国内外の航空機が飛び交う「アジアのハブ(拠点)空港」。関空は関西の経済活性化を図る起爆剤としての期待を一身に背負ってスタートした。ただ、この20年の道のりは「一言でいうと苦難の連続」(新関西国際空港会社の安藤圭一社長)だった。

 開港後しばらくは航空機の発着回数や利用者数が増加したものの、米中枢同時テロやリーマン・ショック後の景気減速など“事件”が起きるたびに失速した。需要低迷の中、採算性への疑念から一時は建設が危ぶまれた2期島。「税金の無駄遣い」と批判されながら、19年8月に4千メートル級の第2滑走路ができたことで「完全24時間空港」を実現した。

「ぺんぺん草しか生えない2期島」が起爆剤に…LCCだけで週170便

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