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【広島土砂災害】鎮守の森に守られた神社 捜索活動の前線基地に

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【広島土砂災害】
鎮守の森に守られた神社 捜索活動の前線基地に

 広島市の土砂災害で最も被害が大きかった安佐南区八木3丁目では、28日も行方不明者の懸命な捜索が続いた。付近の家屋が土砂崩れに巻き込まれて無残な姿をさらす中、土砂の直撃を奇跡的に免れ、捜索活動の前線基地になった神社がある。鎮守の森に守られた光廣神社だ。

 境内の背後にそびえる阿武山(標高586・4メートル)。その中腹で発生した土石流は最高時速100キロ以上で山肌を一気に流れ落ち、大量の土砂がふもとの住宅街を襲った。だが、土砂は付近よりも数十メートル高台に位置する神社を避けるように迂回(うかい)し、境内は無事だった。

 発生当初、境内は被害を受けた住宅街で捜索を行うための前線基地となった。消防隊員の一人は「二次災害の危険性が低く、樹木で風雨もしのげて助かる」と語る。

 土砂の茶色一色となった一帯の中で、樹齢500年以上のご神木や鎮守の森の緑がひときわ目を引く。遺体の収容が進み、捜索隊が引き揚げた26日以降の境内は訪れる人もなく、ひっそりと静まりかえっている。

 神社が立地するのは40メートルの高台。宮司の渡邊修之(なをゆき)さん(73)は「神社はその土地で最も良い条件の場所に造営されることが多い」と指摘し、光廣神社もかつてはふもとの住宅地を見守るように鎮座していた。

 だが、昭和40年代以降、神社から上の山も削られて宅地開発が進み、今回の土砂災害で大きな被害を受けた。

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