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【関西の議論】異例「全小学校の通学路70メートル毎に防犯カメラ」、箕面市の決断は子供を守るか…取り沙汰される1・5億円の“費用対効果”

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【関西の議論】
異例「全小学校の通学路70メートル毎に防犯カメラ」、箕面市の決断は子供を守るか…取り沙汰される1・5億円の“費用対効果”

箕面市が通学路に導入する防犯カメラのイメージ

 箕面市の取り組みと似ているが、1校あたりの設置台数でみると、箕面市は東京都の10倍。平均すると通学路70メートルに1台設置する計算になる。

 箕面市の担当者は「子供の命を守るためには、お金を出し惜しむべきではない。『箕面では犯罪がやりにくくなった』と思わせることで、犯罪を減らすのが第一の目的。仮に犯罪が起きても、カメラの映像が犯人逮捕の証拠になれば、それも抑止につながるはず」と話す。

■割れる専門家の評価

 犯罪心理学や学校安全の専門家は、箕面市の試みをどう見るか。

 東洋大の桐生正幸教授(犯罪心理学)は「防犯カメラは効果的だが過信は禁物。カメラとは別に、『無秩序型』の犯罪もフォローする仕組みが必要だ」と話す。

 「無秩序型」とは、社会から孤立し、知能も高くなく、無計画に犯行に及ぶ犯人像をさす。自転車やバイクで子供に近づき、たたいて逃げる粗暴犯や、死傷事件に発展する通り魔などが該当する。

 「例えば性犯罪者は、目的を達成するために捕まれば意味がないので、カメラを避ける。しかし、粗暴犯はカメラなどお構いなしに、不満を発散する」と桐生教授。

 箕面市の場合、防犯カメラの映像は1週間ごとに自動的に消去し、上書きしていく。事件が起きた場合には、警察の求めに応じて提供する方針だ。

 プライバシー保護には効果があるものの、桐生教授は「常に人がモニターで監視し、異常があったときに駆けつけるのが、本来の防犯カメラの意味。監視しなければ、防犯よりも捜査の道具の意味合いが強く、効果が限定的であることを認識しておく必要がある」と指摘する。

■通学路以外は盲点に

 箕面市によると、防犯カメラを設置するのは、集団登校の集合場所から学校まで間の通学路。つまり、集合場所から児童の自宅までの間は網羅の対象外となる。

 児童を狙った性犯罪には、自宅のブザーを押し、玄関のドアを開けた子供に「トイレを貸してほしい」などと言って侵入する手口が知られており、こうした犯罪現場は盲点となる。

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