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【関西の議論】東京「ジリジリ」大阪「シャッシャッ」東西でセミの鳴き声が異なる理由は…カギは大阪の“乾いて固い土”

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【関西の議論】
東京「ジリジリ」大阪「シャッシャッ」東西でセミの鳴き声が異なる理由は…カギは大阪の“乾いて固い土”

 東京都などの調査によると、大阪市は東京23区と比べ、面積全体に占める緑の割合が3分の2ほどに過ぎず、都市部の中でも極端に緑が少ない。

 そのため東京よりも大阪の都市部で極度に土が乾燥し、クマゼミ以外のセミが住みにくい環境になった可能性が浮上している。

アブラゼミ存亡の危機

 セミの生態に詳しい大阪市立自然史博物館(東住吉区)の初宿(しやけ)成彦主任学芸員によると、館のある長居公園でセミの抜け殻を集めた場合、クマゼミは実に99%を占める。逆にアブラゼミは1%に満たず、存亡の危機にひんしている。

 日本の夏を象徴するアブラゼミの鳴き声は、いまや大阪では郊外まで行かないと聴けない音になってしまった。

 ただし、例外的な場所もある。

 ビジネス街の憩いの場となっている靱(うつぼ)公園(大阪市中央区)では、館の運営に協力する市民グループの「友の会」が平成5(1993)年以降、セミの抜け殻を毎年調査。その結果によると、アブラゼミとクマゼミの数の割合は20年前から拮抗(きっこう)し続けているという。

 初宿氏は「靱公園の林はうっそうとしているので、(市内の)長居公園よりも土の湿度が保たれていることが要因のひとつでは」と推測。都市部でも公園など緑の多い場所では、まだまだアブラゼミの生き残る余地はあるとみられる。

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