産経WEST

【関西の議論】「遠征費が払えない」悲惨なマイナー競技アスリートたち…2020東京五輪「日本」の活躍を支えるのは「企業」の支援、理解は広まるか

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【関西の議論】
「遠征費が払えない」悲惨なマイナー競技アスリートたち…2020東京五輪「日本」の活躍を支えるのは「企業」の支援、理解は広まるか

 6年後の東京五輪を見据え、日本オリンピック委員会(JOC)は有望選手の就職活動支援に本腰を入れ始めている。大会出場の遠征費が工面できず、現役続行をあきらめる有望選手も少なくないためだ。五輪のメダル量産にはマイナー競技のレベル底上げが必要だが、選手たちを取り巻く環境は厳しい。これまでJOCは大企業中心に選手の雇用や支援を呼びかけてきたが、今後は中小企業への呼びかけにも乗り出す。こうした中、マイナー競技の選手を独自に雇用し、勤務体系にも配慮して競技生活を後押しする企業も現れ始めた。JOC関係者も「東京五輪に向けた心強い動き」と歓迎する。(川西健士郎)

 ■金の切れ目が…

 企業スポーツはバブル崩壊以降、衰退の一途をたどったとされているが、JOCキャリアアカデミー事業ディレクター、八田茂氏は「バレーボールやバスケットボールなどの球技を中心に、チームスポーツの選手は比較的恵まれている」と指摘する。

 そのうえで「苦しい状況にあるのは個人競技の選手。月曜から金曜までフルで働きながら競技をやれるのはまれで、アルバイトをしながら自分でスポンサーを見つけたり、親に費用を負担してもらいながら続けている人がほとんどです」と実情を明かす。

 フェンシングやカヌー、レスリングなどの競技をはじめ、長距離や駅伝以外の陸上競技の選手の多くが、こうした苦境に陥っているという。

 八田氏は「有望視されても、『社会人になってまで親に甘えることはできない』という理由で、大学卒業を機に引退する選手は多い」と悔やむ。

 ■就活支援で進む雇用

 選手たちを金銭的に追い詰めるのは、主に遠征の交通費や宿泊費だ。

 冬のスポーツは年間400万円近くかかるが、夏のスポーツでも年間100~200万円程度かかる競技は多い。安定収入が得られない選手には、こうした費用が重くのしかかり、競技続行をあきらめざるを得なくなる場面もある。

「産経WEST」のランキング