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【関西の議論】自転車に傘固定「さすべえ」が“大阪のおばちゃん”にこよなく愛される理由は…製造は「愛知」、母思う創業者の40年前の「開発秘話」

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【関西の議論】
自転車に傘固定「さすべえ」が“大阪のおばちゃん”にこよなく愛される理由は…製造は「愛知」、母思う創業者の40年前の「開発秘話」

「三種の神器」をつけ、颯爽と自転車に乗る女性=大阪市城東区

 大阪で必ず目にするおばちゃんたちの姿がある。自転車のハンドルに傘の柄を固定して疾走する光景だ。固定装置の商品名は「さすべえ」。実は、製造会社は大阪ではなく、愛知県清須市の「ユナイト」だが、販売量は大阪府内が「ダントツ」という。約40年前、母を思う創業者の思いやりから、雨の日に傘をさすと片手運転となる危険を回避するために考案されたが、消費者は晴れの日の「UV(紫外線)対策」にも応用。大阪では、腕を覆うアームカバー、日よけのサンバイザーとともに、女性にとって真夏の「三種の神器」と言われるようになった。車いす用、屋外の腰掛け用、植物を雨や霜から守る園芸用なども発売。ますます進化している。   (張英壽)

■「外出時はほとんど」

 大阪市営地下鉄の蒲生(がもう)四丁目駅(大阪市城東区)。近くに城東区役所などがある庶民的なまちだ。初夏のある日、この駅に降り立った。交差点に立つと、ハンドルにつけた固定器に傘をセットして自転車を運転するおばちゃんたちの姿が目に入った。

 「三種の神器」を構成するさすべえ、アームカバー、サンバイザー。サンバイザーは、大きなひさしが特徴で半透明のものもある。大阪では、その半透明のひさしを下方に向かわせ、顔面を覆うようにしてかぶる人もいる。交差点で待ち受けていると、「三種の神器」すべてをつけ颯爽(さっそう)と通り過ぎる自転車の女性にも遭遇した。案の定、半透明のサンバイザーが下方に向き、顔が隠れていた。夏本番になれば、もっと多くなるだろう。

 近くの商店街に行ってみると、商店街の中央付近にずらりと駐輪された自転車が目に入った。「自転車放置禁止区域 大阪市」と地面に記されており、ほめられない光景だが、駐輪していた自転車の一角をざっと数えてみると、約70台のうち20台近くのハンドルに固定器が装着されていた。中には傘がセットされたまま駐輪している自転車もある。ただ、さすべえには類似品もあるといい、さすべえかどうかはわからない。

 自転車のかごにカバーをつけている自転車も10台以上あった。ひったくり認知件数ワースト1の大阪府内で、普及しているひったくり防止カバーだ。「三種の神器」に加えこのカバーもつけて自転車に乗ることもあるのだろう。

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