産経WEST

【ベテラン記者のデイリーコラム・橋本奈実の芸能なで読み】京都の“代筆屋”が語る「her/世界でひとつの彼女」の魅力 声だけAIとの恋愛映画

産経WEST 産経WEST

記事詳細

更新

【ベテラン記者のデイリーコラム・橋本奈実の芸能なで読み】
京都の“代筆屋”が語る「her/世界でひとつの彼女」の魅力 声だけAIとの恋愛映画

 恋する彼女は、人工知能-。今年のアカデミー賞で脚本賞に輝いた鬼才、スパイク・ジョーンズ監督、脚本の最新作「her/世界でひとつの彼女」が28日、公開される。人工知能型OSの魅惑的な声に惹かれた代筆ライターの主人公の、恋の行方を綴るSFラブストーリー。京都で「代筆屋」を営む行政書士、中島泰成(やすなり)さんが、同業者が主役の今作と自身の仕事を語った。

AIだけど…“思い通りの答え”最高の恋人

 「まず“代筆屋”を主人公にした映画であることに驚きました。それも日本じゃなく、海外の作品であることが新鮮でした」と中島さん。

 代筆業は、日本に古くからある“職業”で、武家の秘書役として文書を作成する「右筆(ゆうひつ)」が始まりとも言われる。もっとも、来日したジョーンズ監督は「僕の頭の中に浮かんできた想像。日本に実際にある職業なんですか!」と驚いていたのだが。

 《近未来のロサンゼルス。優秀な代筆ライターのセオドア(ホアキン・フェニックス)は、社内では一目置かれる存在も、プライベートでは別れた妻(ルーニー・マーラ)への思いを断ち切れないでいた。そんなある日、「話を聞き、理解してくれる。個性も意識もある」という人工知能型OSの広告を目にし、申し込む。彼は、明るくセクシーな声の同OSサマンサ(スカーレット・ヨハンソン)のとりこになり…》

 「実体がない相手に恋をするわけですから、究極ですよね。機械のシステムと人の感情がどう融合するのか。興味深く見ました」

 主人公の仕事は具体的には触れられていない。が、設定に驚いたという。「代筆ライターを抱えた会社がある。僕への依頼は月数件なので、今の自分の感覚では(会社が)成り立たないやろって思いますが」と笑う。中島さんは、時間をかけて相談者の話を聞き、平均A4サイズで2、3枚の量の手紙の文章を作る。が、映画では毎日何件も短い手紙をこなす設定。「自分の思いを言葉にできない人が増えていったら、近未来にあり得ることなのかなとも思います」と話した。

SNS疲れ…こんな時代だからこそ、思い伝える「文章」がウケた

「産経WEST」のランキング