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【関西の議論】世界遺産都市「姫路」が処理できない“負の遺産”…高度経済成長の夢の跡、廃線「モノレール」軌道が撤去されぬ理由

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【関西の議論】
世界遺産都市「姫路」が処理できない“負の遺産”…高度経済成長の夢の跡、廃線「モノレール」軌道が撤去されぬ理由

 将来的には南の沿岸部の播磨臨海工業地帯や、鳥取など他府県への延伸も計画していたが、同年6月の博覧会終了後、状況は暗転する。

 モノレールと同じく市の中心部から南方面には山陽電鉄が通っていたが、モノレールの運賃(姫路-手柄山間100円)はその山陽電鉄に比べかなり高額だった上、運行距離も短かった。このため利用客が限られ、赤字続きの経営不振となり、最終的には10億円を超える累積赤字を抱えて49年に休止。そのまま再開されず、54年に正式に廃線となった。

 廃線後、市は高架軌道の橋げたと橋脚の撤去作業を進めたが、財政負担が重くのしかかり、思うように進んでいない。橋げたは耐震性に問題があるとして優先的に撤去したが、それでも昨年度までに全体の約半分の924メートルの区間を撤去したに過ぎない。また85本あった橋脚も、今年中にやっと約半分の43本まで減らせる見通しだという。

これまでに5億円を投入

 すでにつぎ込んだ撤去費用は約5億円。市によると、昨年度にかかった撤去費用は約4千万円。橋げた1本で約1千万円、橋脚にはその倍以上かかり、来年度以降に残る橋げたと橋脚すべてを撤去するには、撤去が難しい部分を含むことなどから、これまでの4~6倍の20~30億円も必要だという。

 廃線跡を一掃するのが難しいとあって、市はこれまで利活用法についても検討。平成17年6月にモニュメントとしての活用を図る構想が浮上し、試験的に橋脚にツタやバラ類を植栽したが、植物の管理にもコストがかかり、定着しなかった。

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