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【関西の議論】世界遺産都市「姫路」が処理できない“負の遺産”…高度経済成長の夢の跡、廃線「モノレール」軌道が撤去されぬ理由

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【関西の議論】
世界遺産都市「姫路」が処理できない“負の遺産”…高度経済成長の夢の跡、廃線「モノレール」軌道が撤去されぬ理由

 JR姫路駅(兵庫県姫路市)から南西に向かうと、巨大なコンクリート製の橋脚や橋げたが、建物や道路の間を縫うように点在しているのが目に入る。昭和41年に開かれた姫路大博覧会のアクセスとして開業し、9年間走っただけで廃止された旧市営モノレールの高架軌道跡だ。市は廃線後から撤去作業を始めたが、費用がかさむ上、周辺に建物が立て込んで重機が出入りできる土地の確保も難しくなり、いまだ完全撤去のめどは立っていない。世界遺産の姫路城の改修が大詰めを迎えた同市だが、一方では高度成長期の「負の遺産」の処理という難しい課題に直面している。

(上阪正人)

国内2番目のモノレール

 モノレールの軌道跡は高さ約10メートル、長さ数十メートルの巨大なコンクリートの遺構として市の中心部から南西方向に点在。橋げたの下に後から建物が建ったところもあり、コンクリートには葉が絡むように生い茂るなど、時間の経過を感じさせる。

 街中の“オブジェ”のような景観は、鉄道や写真愛好家の間で「鉄道文化遺産」として知られており、他府県から訪れてカメラに収める人も多い。

 旧市営モノレールは昭和41年、市内の手柄山などで開催された姫路大博覧会に合わせ、総工費14億5千万円をかけて完成し、同年5月に国鉄(現JR)姫路駅から博覧会メーン会場の手柄山までの1・8キロの区間で開業。東京モノレールに次ぎ、全国で2番目のモノレールとして話題を集めた。

博覧会終了後に暗転

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