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【衝撃事件の核心】大阪高裁が猶予認定した「前頭側頭型認知症」…万引常習の理由は「クレプトマニア」だけでない

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【衝撃事件の核心】
大阪高裁が猶予認定した「前頭側頭型認知症」…万引常習の理由は「クレプトマニア」だけでない

 お金はある。盗みで生計を立てているわけでもない。でも、商品に手を伸ばしてしまう…。万引事件の執行猶予期間中に再びスーパーで万引したとして、窃盗罪に問われた無職の女性(75)が1審は実刑判決、2審では執行猶予判決を宣告され、確定した。起訴された当初、窃盗を繰り返す精神疾患「クレプトマニア」と診断されたが、1審途中で別の特殊な認知症の疑いが浮上。1審判決は認知症の影響を否定したが、2審判決は影響があったと認め、執行猶予中の再犯にもかかわらず異例の執行猶予を付けた。この認知症は知名度が低いため裁判でも気づかれないケースが多く、今後も同様の症状を持つ被告への対応が課題となりそうだ。(清宮真一)

実感伴わない「罪悪感」

 女性は平成24年11月、神戸市内のスーパーで、みそなど食品4点(計約4千円相当)を万引したとして窃盗容疑で逮捕された。

 前年の23年に万引で罰金刑となったほか、24年3月には万引の窃盗罪で懲役1年、執行猶予4年の有罪判決を受けていた。

 女性は逮捕後、弁護人に不可解な供述をした。盗んだ動機を「ほしかったから」「店員が商品をかごに入れてくれた」などと説明する一方で、「万引は悪いこと」とも話したのだ。

 弁護人は「『悪い』という話しぶりに実感が伴っておらず、罪悪感を表現する言葉が上滑りしているようだった」と打ち明ける。

 女性は結局、窃盗罪で起訴された。その後、専門病院で、万引を繰り返す精神障害の一種「クレプトマニア」と摂食障害があるとの診断を受けて入院。治療と並行して裁判を進めることになった。

「お腹が鳴る」に違和感

 女性は19年4月に夫を亡くすまで規範意識に問題はなく、不可解な行動もなかった。だが、夫の他界後は「さみしい」と漏らし、同年12月ごろから万引を繰り返すようになった。

「よく分からないが、盗んだ」 本人も周囲にうまく説明できない

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