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【関西の議論】「敦賀原発=活断層」覆らぬ判断、怒る地元、聞かぬ規制委、見えぬ「先」

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【関西の議論】
「敦賀原発=活断層」覆らぬ判断、怒る地元、聞かぬ規制委、見えぬ「先」

 敦賀原発2号機(福井県敦賀市)敷地内の破砕帯(断層)について、原子力規制委員会が昨年5月、「活断層」との判断を下してからまもなく1年になる。その後、事業会社の日本原子力発電が活断層を否定する調査結果を公表し、今年4月から規制委による再審議が始まったが、これまでのところ「活断層」評価を覆す状況にはない。廃炉が日増しに現実味を帯びる中、敦賀3、4号機の新増設計画も宙に浮いたまま。原発関連収入に頼る地元の規制当局への不信感はこの1年でさらに増幅する一方、自治体や経済界からは廃炉を見据えた新たな動きも出始めている。

(矢田幸己)

 廃炉は既定路線か

 「なぜだ! 合点がいかない」

 規制委事務局の原子力規制庁が今年3月、昨年5月に破砕帯を「活断層」と結論付けた有識者5人のみで再審議も進める方針を示したことに対し、同市の河瀬一治市長は珍しく語気を強め、不快感を示した。

 2号機直下を走る破砕帯は活断層か否か。原電は昨年7月、活動性を否定する追加調査結果を公表、地元は原電支援で結束し、規制当局と真っ向から対立する状況が続いている。

 規制当局は今年1月に実施した現地再調査を踏まえた上で改めて「検討する」としたが、判断を行う有識者は活断層認定時と同じメンバーにした。河瀬市長の発言はこれにかみついたものだった。

 河瀬市長は事前に規制庁に対し、幅広い専門家の知見を基に科学的・技術的な判断を行うよう申し入れていた。西川一誠・福井県知事も「幅広い有識者が適切に判断することが大事。過去に判断した人たちも参加しなければ議論は深まらない」と注文をつけていたが、これら立地自治体トップの声はまったく届かなかったことになる。今回の方針には原電も規制庁に抗議した。

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