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【タイガース血風録 猛虎水滸伝】シナリオ通り…ついに「村山辞任劇」

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【タイガース血風録 猛虎水滸伝】
シナリオ通り…ついに「村山辞任劇」

 現監督和田豊は1985(昭和60)年から2001(平成13)年まで17年間の選手生活で吉田義男-村山実-中村勝広-藤田平-吉田義男-野村克也と延べ6人の監督のもとでやってきた。そのうち事実上の“監督解任”は、第三次吉田阪神(97~98年)以外5度を数える。要するに彼の上司(監督)は全員、何らかの形で途中解雇された。いやはや…。

 それだけにいろんな勉強をしてきた。彼がほとんど“失言をしない監督”といわれるのはその経験則からなのだろう。

 その意味でかなりのサンプリングとなったのは89年の『村山辞任劇』だった。

 9月14日、巨人戦(東京D)の三回に、三振したフィルダーがバットをたたきつけ、そのバットがハネかえってフィルダーの右手小指を直撃。それが15日、精密検査で「骨折」と判明し、残り試合は絶望となった。

 泣きっ面にハチというやつだ。それで踏ん切りがついたわけではない。村山はなぜか9月17日のヤクルト戦(甲子園)にサワヤカな顔で現われ、試合中も終始にこやかだった。そして試合は6-3で勝利。プレスルームにやってきた監督は何かつきものが落ちたような笑顔でこう切り出したのだ。

 「私自身のことでお話させていただきたい。今シーズン限りでユニホームを脱がせてもらいます。代表には伝え、(辞任を)受理されました…」

 トラ番たちは少しも驚いた様子はなかった。なぜならすでにシナリオは着々と進んでいて、ついにその時が来たというだけなのだ。

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