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鹿に餌やり、常態化 「野菜の切りくず」「残飯」…奈良公園で
奈良公園(奈良市)周辺の鹿に対し、近隣の飲食店の餌やりが常態化していることが、飲食店への奈良県のアンケートで分かり、県が24日、鹿の適切な保護管理を検討する有識者委に報告した。回答を寄せた半数以上の21店が、野菜の切りくずやパンの切れ端などを「あげたことがある」としていた。有識者委の委員は「周辺の農業被害につながる」「関連性を断定するのは早い」など餌やりをめぐる議論を交わした。
アンケートは、県が3月、奈良公園内と周辺で営業する飲食店87店に実施した。その結果、40店から回答を得た。
21店が「あげたことがある」、13店が「あげたことはないが、あげている人を見たことがある」と回答した。「あげたこともないし、見たこともない」はわずか1店だった。
「あげたことがある」と「あげている人を見たことがある」の回答中、頻度については、9店が「週に数回」、9店が「月に数回」と回答。「毎日」も5店あり、餌やりが常態化していた。
与える餌の種類は「野菜の切りくず」「残ったご飯、米ぬか」「パンの切れ端」「割れて売れない鹿せんべい」などだった。
餌やり自体については、「鹿せんべいを人からもらっているので、しかたない」「体に悪いお菓子などを与えることは取り締まってほしい」「やり過ぎは良くないが、餌の少ない冬場は見るにたえない(ほどやせている)鹿もいるのである程度必要」などの回答があった。