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【衝撃事件の核心】「死刑執行後の再審開始に裁判所は怯えた」…飯塚事件“完敗”弁護団の厳しすぎる“逆転へのハードル”

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【衝撃事件の核心】
「死刑執行後の再審開始に裁判所は怯えた」…飯塚事件“完敗”弁護団の厳しすぎる“逆転へのハードル”

 足利事件の鑑定試料は1人分の体液だったが、飯塚事件は複数人の体液が混ざり、当時の技術水準では鑑定がより困難だったとされる。のちに「東の足利、西の飯塚」と鑑定の信用性に疑いが生じ、冤罪(えんざい)の可能性が指摘されていた。

 足利事件では、即時抗告審での再鑑定によって犯人の体液と元受刑者のDNA型が一致しないことが明らかになり、22年の再審判決は「(鑑定が)科学的に信頼される方法で行われたと認めるには疑いが残る」と証拠能力を否定した。

 こうした経緯を受け、飯塚事件の弁護団は久間元死刑囚の執行について「足利事件が再審開始に大きく傾く中で、臭いものに蓋をしたのではないか」と疑いの目を向けている。

DNA型鑑定なしでも…

 執行からちょうど1年後の21年10月28日、久間元死刑囚の妻が遺志を継ぎ、再審請求した。審理では、女児に付着した「犯人の血痕」とされるDNA型鑑定の信用性などが焦点となった。

 現場で採取された資料は残っておらず、再鑑定はできない。弁護団が科警研のDNA型鑑定の分析を依頼した本田克也・筑波大教授(法医学)は、当時の鑑定データを撮影した写真のネガフィルムを解析し、「犯人と元死刑囚とのDNA型は一致しない」とした。

 さらに本田教授は科警研の血液型検査を批判し、「確定審でB型とされた犯人はAB型で、B型の元死刑囚と異なる」と指摘。弁護団はこうした分析などを新証拠として提出した。

 福岡地裁の決定は、科警研の血液型検査に関する本田教授の分析を「再鑑定に基づかず、抽象的な推論に過ぎない」と一蹴。続いてDNA型鑑定については本田教授の分析を踏まえ、判定方法が異なればDNA型が一致しない可能性もあるとして、「当時の判定方法で一致したからといってただちに有罪の根拠にはできない」と述べた。

 足利事件の再審判決で同じ鑑定法が証拠能力を否定された点は「当時の科警研によるDNA型鑑定の一般的な信頼性に影響するわけではない」と退けた。

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