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【衝撃事件の核心】「死刑執行後の再審開始に裁判所は怯えた」…飯塚事件“完敗”弁護団の厳しすぎる“逆転へのハードル”

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【衝撃事件の核心】
「死刑執行後の再審開始に裁判所は怯えた」…飯塚事件“完敗”弁護団の厳しすぎる“逆転へのハードル”

 福岡県警は6年9月、女児らの通学路を普段から利用し、土地勘のある久間元死刑囚を死体遺棄容疑で逮捕。翌10月には殺人容疑でも再逮捕した。元死刑囚は「やっていない」と無実を訴えたが、福岡地検は殺人などの罪で起訴した。

 地検や県警は公判に備え、数々の証拠を積み上げた。主な証拠だけでも、(1)遺留品の発見現場近くで事件当日、元死刑囚の車と似た車両の目撃証言(2)元死刑囚の車の中から女児の1人と同じ血液型の血痕検出(3)女児の着衣から車の座席とほぼ同一の繊維片確認(4)遺体などから採取した犯人のものとされる血液と元死刑囚の毛髪のDNA型一致-をそろえていた。

 1審福岡地裁判決は、これらの証拠を検討。DNA型鑑定結果について「犯人が1人ならDNA型は一致するが、単独犯との前提が証明されておらず証明力は弱い」と指摘し、数々の状況証拠も「単独では犯人と断定できない」とした。その上で「証拠を総合評価すれば合理的疑いを超えて犯人と認定できる」として死刑を言い渡した。

 2審福岡高裁も1審判決を支持し、18年に最高裁が上告を棄却して確定した。

東の足利、西の飯塚

 20年9月、再審請求の準備をしていた主任弁護人の岩田務弁護士らは福岡拘置所を訪問した。久間元死刑囚は面会室で準備の知らせに喜び、死刑囚の判決確定日と執行日が記載された一覧表を手にこう言った。

 「自分はまだ5、6年先だから」

 弁護団も同じ見方だったが、約1カ月後の20年10月28日、刑が執行された。18年10月8日の判決確定から2年余り。10年以上執行されないケースも目立つ中では、早かった。

 この執行のタイミングは“疑惑”を呼んだ。直前の10月17日に、足利事件の再審請求即時抗告審でDNA型再鑑定が行われる見通しが報じられていたからだ。

 足利事件の鑑定方法は飯塚事件と同じく、警察庁科学警察研究所(科警研)による「MCT118型」検査。鑑定が行われた時期もほぼ同じころで、犯罪捜査に導入された直後だった。

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