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「絵が残れば、天国の戦友も喜んでくれる」 ウクライナ抑留の木内さんがトーク

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「絵が残れば、天国の戦友も喜んでくれる」 ウクライナ抑留の木内さんがトーク

 舞鶴引揚記念館(舞鶴市平)で開催されている企画展「抑留と交流と-木内信夫絵画に見るウクライナ抑留-」に合わせて、作者の木内信夫さん(90)=千葉県柏市=が22日、同館を訪れてギャラリートークを行った。来場者らを前に木内さんは「絵が残れば何かの役に立つと思った。天国にいる戦友たちも喜んでくれると思う」などと話し、時折涙ぐみながら創作の思いなどを語った。

 木内さんは戦時中、旧満州の航空隊に所属。戦後はウクライナの収容所などで抑留生活を送り、昭和23年に舞鶴に引き揚げてきた。その後、自らの記憶をたどりながら抑留生活の思い出を絵にしてきた。平成8年に同館に絵画40点を寄贈。25年にも65点を寄贈し、今回の企画展ではうち28点を実物展示、残りの37点をプロジェクターで映写している。

 この日は、家族ら6人で同館を訪問。同館がユネスコの世界記憶遺産に登録申請したこともあり、「話をすることで絵に興味を持ってもらえれば」と、初めて一般の人の前でギャラリートークをすることにした。

 木内さんの作品の特徴は、抑留生活のつらさや悲惨さだけを表現していないところ。今回の展示作品の中にも、現地の人と馬で競走▽農家の女性と一緒に仕事▽現地の子供たちとそり遊び-などの様子をコミカルに描いたものもあり、「子供たちにロシア語の歌を教えてもらった」などと思い出を振り返った。

 木内さんの作品のうち40点は記憶遺産の申請資料に含まれており、木内さんは自らの作品が貴重な資料として高い評価を得たことを喜んでいるという。

 4月23日まで。企画展は無料だが、同館の入館料(大人300円、小~大学生150円)が必要。問い合わせは同館((電)0773・68・0836)へ。

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