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「林邑楽」1300年ぶりの“里帰り”  春日大社の雅楽団がベトナム初公演 

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「林邑楽」1300年ぶりの“里帰り”  春日大社の雅楽団がベトナム初公演 

 春日大社(奈良市)に伝わる春日舞楽の雅楽団「南都楽所(なんとがくそ)」は4月中旬、奈良時代(8世紀)に現在のベトナムから伝わった雅楽「林邑楽(りんゆうがく)」の公演を同国で初めて行う。林邑楽はベトナムの僧が日本に伝えたとされ、東大寺の大仏開眼供養式でも上演の記録が残る。南都楽所は、公演を約1300年ぶりの“里帰り”と位置づけている。

 林邑楽は天平8(736)年、ベトナム僧の仏哲(ぶってつ)と波羅門(ばらもん)僧正が大安寺(奈良市)で伝えたとされ、独特のリズムがある。

 天平勝宝4(752)年の東大寺大仏開眼供養式では、林邑楽の演目「抜頭(ばとう)」「菩薩(ぼさつ)」「陪臚(ばいろ)」の3曲が上演されたと東大寺要録にも記されている。

 春日大社によると、昨年9月に横浜市で開催されたベトナム宮廷芸術劇場付属雅楽団の来日演奏で、南都楽所も出演した際、ベトナム側から南都楽所会長の花山院弘匡・春日大社宮司に招待の申し出があったという。

 出演するのは、世界各国から音楽や芸能関係者が集まり、ベトナムの都市フエで4月12~20日に開催される「フエ・フェスティバル」。南都楽所は13日にメンバー22人が参加し、ベトナム宮廷芸術劇場で「林邑八曲」の中から「胡飲酒(こんじゅ)」「陪臚」などの演奏を予定している。

 南都楽所楽頭の笠置侃一(かんいち)・奈良大名誉教授は「約1300年の歴史を持つ林邑楽が里帰り公演する意義は大きく、アジアの文化交流として非常に誇らしい」と話している。

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